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緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
第1.5章(AA1巻) 切られし火蓋(リマインド)
第15弾 過去との交錯
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ついでにアリアの方に視線だけやると、『早く言いなさい』と言うように腕を組んでいた。
 少し間を置いてから口を開いた。

「???この話をする前に、俺自身のことも聞いてもらいたい」

 そう前置きして話し始める。

「俺の名前???樋熊シュウヤって言うのは、偽りの名(・・・・)だ」
「「「「え?」」」」

 一同は衝撃的な顔をする。無理も無いと思う。
 俺もあいつらの立場なら同じ反応をしたと思う。
 だがこれは、紛れも無い事実。

「じゃあ、あんたの本当の名前は?」
「???平山。平山柊弥。それが俺の本当の名前」
「平山? 平山ってあの平山行蔵の?」

 凛音が驚いた様に言った。

「そう、俺の先祖は平山行蔵」

 俺は平山行蔵の7代目か8代目の子孫。

「……平山行蔵って誰?」

 マキが首を傾げた。
 知らないのも無理はないな。
 あまり知られた人では無いと言うのが正直なところだから。

「平山行蔵は江戸時代の兵法家、つまり武術家だね。確か『講武実用流』って言う流派を開いた人だった筈」

 凛音がマキに説明する。

「凛音の言う通り。平山行蔵は兵法家であり『講武実用流』を開いた人」
「つまりシュウ君はその講武実用流の継承者って事?」
「そう言うこと」

 俺は幼い頃、講武実用流に関することはだいたい習ったからな。
 そもそも講武実用流と言うのは、『忠孝真貫流』と呼ばれる剣術を中心に、槍術、柔術、砲術などの多彩な武芸を纏めたもののことを言う。

 あ、でも砲術は習ってないな。
 代わりに銃火器の扱い方を教え込まれたけど……。

「そういえば、今使ってる名字は一体どうしたの?」
「これは俺を引き取ってくれた親戚の名字をそのまま使ってる。一応住民登録とかもこの名前で入ってる」
「……講武実用流に剣術入ってたよね?」

 歳那が口を開いた。

「あるよ。それがどうした?」
「あの剣術は一刀流の流れを汲んでるはず。どうして貴方は二刀流なの?」

 そう来たか。
 また、ややこしい方に転がりそうだな。

「それは、俺が宮本武蔵の血筋(・・・・・・・)も受け継いでいるからだ」
「「「「え?」」」」

 ……やっぱり戸惑うよな。
 そう、俺は僅かであるが宮本武蔵の血を引いている。
 もう一度言う。僅かだが。

「あの剣豪の?!」
「そうだよ」

 だから凛音さん落ち着いて。

「まあ、俺のルーツに関してはこんな感じ。なんか質問ある? 無いなら先に進むけど」

 一同は無言だった。俺はそれを肯定として受け取り次に進む。

「次はあいつ……水蜜桃との因縁かな」

 俺はレインボーブリッジを観ながら話し始める???




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