第1.5章(AA1巻) 切られし火蓋(リマインド)
第15弾 過去との交錯
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痛って……」
この場面だから敢えて聞こう。
???空から女の子が降ってくると思うか?
この場合はYESだ。
実際に降ってきたのだから。
アリアが。
「ッ???! しっかり受け止めなさいよ、このドベ!」
聞いた? 開口1番の台詞がコレだよ。俺もう泣くよ?
ヒョイっと立ち上がったアリアはポンポンと服の汚れを払っている。
何故か、制服以外の服着てるんだが。
「なあ、なんの格好だそれ?」
「見てわかんないの? チアよ」
「アドシアードのか?」
「そうよ」
アドシアードとは毎年5月に行われる催しで、世界中の武偵高から選りすぐりの武偵が来る。
言わば武偵達の祭典と言った所だ。
しかし、それのチアねぇ。
……違和感しかねぇ。
「あんた今失礼な事考えてなかった?」
怪訝そうな顔をして聞いてくる。
「何も」
紙回避でアリアの言葉を流す。
しっかし痛かったな……。
アリアじゃなきゃ死んでたかもな。
「……風穴」
アリアがホルスターからガバメントをチラつかせる。
「落ち着け」
俺は彼女を宥める。アリアは、何処か不満そうな表情を浮かべながら腰に手を当てた。
???ていうか、こいつはエスパーか。
「凛音と歳那がここにいる理由は大体分かってる。で、アリアは何でここに?」
「聞きたいことがあってね」
聞きたいこと?
「何をだ?」
「手紙の件」
ああ、メヌエットに渡したやつね。
「しっかり渡したけど。あ???」
自分の制服の内ポケットから1通の手紙を取り出す。
「これお前にってメヌエットから」
俺の渡した手紙を受け取ったアリアは、ありがとうと言って手紙の裏を確認する。
「確かにメヌの書いた字ね」
そりゃあねぇ、目の前で書いてもらったやつだし。
「で、用事は済んだか?」
「まだよ」
まだあんのかよ……。
「……で、その用件とやらは?」
「あんたに頼み事よ」
頼み事ねぇ……。
「悪いけど、今は受けられない」
「なんでよ」
「今厄介ごとに当たってるんだ」
頭をかきながら答える。
そして、マキ達の方へと向き直る。
「マキ、凛音、歳那???これから話すことを聞いたら後戻りできなくなるけど良いか?」
3人を見ながら俺は言った。
これから話すことは聞いたら最後、これから一生背負って行くであろうことに巻き込んでしまう。
出来る事なら、俺はこいつらの事を巻き込みたく無い。
だからこうして最後にもう一度聞いた。
3人は頷いた。
覚悟はできていると言うかのように。
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