第1.5章(AA1巻) 切られし火蓋(リマインド)
第15弾 過去との交錯
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予め衝撃を加えた煙幕弾は、地面につくと同時に煙幕を張る。
「チッ、煙幕か」
煙幕弾がしっかりと作動したことを確かめた俺の意識は、誰かに背負われるような感覚と共に途切れるのであった???
いつもの朝と同じ感覚で目が醒める。
若干だが、視界がぼやける
だが、部屋の中は真っ暗だ。まだ夜間である。
アレ、確か俺は煙幕弾を投げて……どうなったんだ?
考え事をしながら、俺はゆっくりと上体を起こした。
それとほぼ同時に、寝室の扉が開きマキが入って来た。
同時に寝室の明かりもつけられる。
「……もう良いの?」
何処と無く不安げな表情を浮かべたマキが尋ねてきた。
「……ああ」
俺が短く返事をしたのと同時に、凛音と歳那が部屋に入ってきた。
「気がついたのね」
俺は凛音の言葉に頷いたまま俯くことしかできない。
この状況で俺はどんな顔をしたら良いんだ……。
「ねえ???」
マキの言葉に顔を上げる。
「???9条を破りかけた事は本当の事なの?」
「ああ、本当だ」
「どうして、そんな事を?」
「それは???」
次の言葉を紡ごうとした瞬間、再び激しい頭痛が俺を襲った。
「うっ!!」
「シュウ君!」
頭を抱えて悶える俺に、マキが寄ってくる。
「???大分辛い思い出なのね」
凛音が諭すように言った。
チッ、あの野郎良くも……。
「????そうだ、彼奴は?」
俺の問いに歳那が答える。
「水蜜桃とか言ったっけ? 逃げられた。いや、何とか逃げ切ったって言うべきだね」
「そうか……」
「その様子だと追いかけるつもりだったのね」
凛音に心の内を言い当てられた。
「今の貴方じゃ無理ね。少し休みなさい」
「そうするよ」
俺は再び横になった。
俺はどうするべきなのか?
自分ではどうして良いのかが分からない。
「冷蔵にあるもの使っても良い?」
凛音に声を掛けられたが、条件反射の要領で返事する。
「ああ」
あ、それからと凛音が続ける。
「今日ここに泊まっても良い?」
「ああ」
こちらも反射的に返事をする。
……ん? 今『ここに泊まる』って言ったんだよな。
で、俺は返事したわけだ。
「……ちょっと待て!」
ガバッと、勢い良く上体を起こした俺は叫ぶ。
「……何?」
扉のところから顔のみを出した凛音が尋ねてくる。
「何でここに泊まるんだよ!」
「何でって、もう時間も遅いし」
今の時刻は、午後10時過ぎ。
反論の余地無し……。
諦めた俺はそのまま横になる。
「……泊まって
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