暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
第1.5章(AA1巻) 切られし火蓋(リマインド)
第15弾 過去との交錯
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の機関部を、既に私が斬ったから」

 凛音の言葉に合わせるかのように声がした後、今度は木の上から人影が現れる。
 こちらは、茶髪のセミショートの少女。
 身長は凛音とほぼ同じぐらい。
 腰には、身の丈程ある日本刀が差してある。

「歳那……?」
「久しぶり。4対4以来かな?」

 彼女は土方歳那(せいな)
 尋問科(ダギュラ)所属のAランク武偵。
 凛音と同じく,1年の時に組んだ4対4のチームメンバー。
 こちらは、土方歳三の子孫らしい。
 凛音と同じく刀の扱いが上手い。

「お前ら、何でここに?」
「激しい銃声が聞こえたから見に来たの」

 凛音の後に、歳那が続けて言う。

「そう、あまりにも煩くてね。文句言ってやろうかなと思って来てみたけど???」

 2人は水蜜桃の方へと向き直す。
 そして凛音が言葉を補うかの様に口を開く。

「まさかこんな事になってるとはね。そこの貴方、銃刀法違反で逮捕する」

 凛音は、腰元から抜いた刀を水蜜桃に向けながら言った。

「面白いこと言うなぁ。でも、そこに足手纏いがいるのにどうやって私を捕まえるんだ?」

 俺の事を示しながら言った。
 確かに俺は???「そんな事ないッ!」???ッ?! 
 マキが叫んだ。

「シュウ君は???シュウ君は足手纏いなんかじゃない!」

 水蜜桃はその言葉を嘲笑した。

「へぇー。そいつが足手纏いじゃ無いって言い切れるのか?」

 水蜜桃は続ける。

「怒るとすぐに我を忘れて周りが見えなくなるような奴だぜ?」

 挑発……いや、違うな。

「それに、そいつは1回???」

 まさかアイツ、あの事(・・・)を言うつもりなのか?! 

「止めろ、それ以上言うな!!」

 俺の必死の懇願は虚しく散った。

「???9条を破りかけた(・・・・・・・・)事もあるんだぜ?」

 その言葉を聞いた瞬間、忘れかけていた???否、自ら忘れていたと言うべき記憶。
 その記憶の全てが、一気に頭に流れ込むかのように思い出される。

「う゛う゛っ゛!」

 俺は頭を抱えてその場に倒れこむ。

「シュウ君!」
「「?!」」

 薄れ始めた意識の中、マキが駆け寄ってくるのが見える。
 その奥では、凛音と歳那が硬直していた。
 俺は何とか起き上がろうと試みるが、体に力が入らず起き上がれない。

「マキ、歳那! ここは一旦引こう!」

 我に帰った凛音がそう叫ぶ。

「逃すかぁ!」

 水蜜桃が叫ぶ。
 水蜜桃を牽制するために、歳那がグロック18を取り出して発砲する。
 俺は動かない体を無理に動かして、懐から武偵弾『煙幕弾(スモーク)』を取り出し投げる。

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