旅立ち
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だ、ひとつ言い忘れてたことがあるんだけど」
玄関で靴を履く冴夢に、声をかけるお母さん。それに、ん、とだけ言って話を聞く。
「隣の街、メイスイタウンだっけ?あそこで博士と待ち合わせてね、いいもの貰えるから」
「なにそれ?御三家もらえってか?」
「そんなのじゃないわよ…まぁ、行けばわかるから、ほら行った行った!」
といきなり促され、言われるままに家を出る。
外は快晴。春にしては少し暑すぎるくらいの、絶好の外出日和だ。
流石に歩きで移動も面倒なので、自転車を使うことにする。自転車は、去年のクリスマスに買ってもらったロードバイク。流石に15歳ではまだ車も運転できない上、道が狭くそれどころじゃないので、自転車を買ってもらったのだ。
心地よい風を感じながら、自転車を走らせる。
だが、それとは真逆にテンションが上がりきらない冴夢。
それもそのはず、彼からしたら、ブイズ以外興味が無いのに無理やり御三家を使わされるわけだ。テンションが上がらないのは当然とも言える。
隣のメイスイタウンまでは自転車で10分もあればつく。
…こんなことなら上の学校に進級してた方がマシだったかな…と、天気に反して気分は最悪。冴夢からしたら、今心の中は土砂降りの雨になっているだろうーー
そんなことを考えていたら、メイスイタウンに着いた。ここまでは冴夢も何回も行ったことがある。ここから先は、未知の領域という訳では無いが、かなり知らない土地も増えてくる。
だが、今の冴夢にとってはウキウキよりもどよーんとした気持ちの方が先行している。
とりあえず、気持ちを押さえつけて博士を探すことにする。
「冴夢くん、こっちこっち!待っていたよ!」
ふと左のカフェの方から声が聞こえた。そこには有名なプラターヌ博士と…
…誰?
冴夢からしたら面識もない初対面の同い年くらいの子が4人居た。男子女子、それぞれ2人ずつ。
事実、冴夢はあまり人と関わるのが得意な方ではない。慣れてしまえば別だとはいうが、なかなか上手くいかないのが現実だ。
「どうも、初めまして博士…そちらは?」
「あぁ、この子らかい?偶々君と同じタイミングで旅に出る、仲間みたいなものさ。仲間は多い方がいいから、是非仲良くやっていってくれ」
仲間…か…こいつらは…大丈夫…かな…?と疑心暗鬼な冴夢。そんなのを他所に、どんどん話しかけてくる。
「初めまして!私は紗羅!よろしくね、えーと…冴夢くん、でいいの?」
真っ先に話しかけてきたのは、少し色が黒めの女の子だ。上はド派手なピンク色のTシャツ、下は黒色の短いズボンを履いている。露出狂…という程ではないが、かなり素肌が露出している服装だ。
髪は黒で
内心、かなり不安を抱く。人は見かけで判断してはいけないと言
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