旅立ち
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「…?もうこんな時間か、起きねーと…」
ここはカロス地方、アサメタウン。この街からまた1人のトレーナーが旅立とうとしていた。
この少年、名前は冴夢。先日15歳になったばかりだ。
この世界では、トレーナー資格は15歳から取得できる。
見事その試験に受かり、トレーナーの資格を得た冴夢は、母に勧められ、今日から旅に出ることになっていたのだ。
トイレへ行き、顔を洗い、着替えを済ませ、リビングで朝食をとる。ここまでは至っていつも通りの生活だ。
「はい、冴夢、朝ご飯よ」
「ごめん、ありがと」
そう言って食べ始める。今日の朝食は昨日の残りの生姜焼き。冴夢の家では、これくらいのことはいつもの事である。
「冴夢、ほんとに大丈夫なの?」
いきなりお母さんが冴夢に話しかける。
「何が?」
「あなた、ブイズ…だっけ?あれ以外全く興味ないじゃない…」
そう、冴夢には1つトレーナーとして、大きな欠点があったのだ。
それは、
〔ブイズが好きすぎて、他のポケモンに興味を持てない〕
というものだ。
実際、トレーナーズスクールでの成績は悪くなかった。のだが、家に帰る度に
「やっぱりブイズがいい」
「癖があると扱いにくい」
と駄々を捏ねてしまっていた。その為今回の出発もあまり乗り気ではなかった。
基本的にこの世界では旅に出る、となったらその地方の博士から御三家と呼ばれるポケモンを貰う。カロス地方の場合はプラターヌ博士だ。
そしてその御三家の中に、当然ブイズが入ってるはずなどなかった。
ブイズのことは誰よりも知り尽くしている。が、それ故に他のポケモンに興味を持てなくなっているのだ。
「まぁ興味はないけど…皆無でもないよ…一応扱えるし」
こういうが、実際他に好きなポケモンがいない訳では無い。が、この地方では入手困難のため、実質ブイズ以外興味が無いに近い。
「タイプ相性とかもあるんだからね?その辺少し考えなさいよ?」
「言われなくたってわかってるよ…」
少しうるさいくらいに色々言うお母さんに、少しうんざりしながらご飯を食べ続ける。
「でも…とにかく、楽しんできなさい。こんなことなかなか出来ないんだから」
と、いきなりいい事を言い出すお母さん。これも冴夢からしたらいつもの事なので、
「うん、死なない程度に楽しんでくるよ」
と冗談交じりな発言でかわす。
しばらくして、朝食を食べ終えた冴夢は、出かける用のカバンを持ち、玄関に向かう。
この世界、無駄にハイテクなものが多く、専用の機械があればどこにいても自分の家の物を取り出せる仕組みなのだ。その為、こうやって旅をするとなっても、大荷物にならずに楽な旅を楽しむことが出来るのだ。
「あ、そう
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