暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
第1.5章(AA1巻) 切られし火蓋(リマインド)
第14弾 〜G and H(『武力』と『理力』)〜
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と俺って壁に埋まってなかったか? 

「シュウ君!!」

 声のした方を向くとマキがいた。

「大丈夫?」
「ああ。それよりアイツは?」
「彼はさっき病院に搬送されたよ」
「容態は?」
「命に別状無しだって」

 本当か……! なら良かった。

「でも、本当に大丈夫? 10メートルも吹き飛ばされた挙句に壁にめり込んだけど?」

 ……そうだあの時、GVに殴られて吹っ飛ばされたんだ。
 あいつの拳、推定だがマッハ1は出ていたな。
 この衝撃吸収材を大量に詰めた改造制服じゃなかったら死んでたな。

「……取り敢えず、大丈夫。それより、そろそろお暇しませんか?」

 俺は様々な理由から来る疲労でヘトヘトだった。

「また倒れるのも嫌だし……」
「そうだね。ここは警察に任せて行こうか」

 俺は立ち上がるとマキと共にその場を後にした???





「シュウ君がここに来るのは久しぶりだっけ?」

 部屋に入りながらマキは尋ねて来た。

「そうだな。最後に来たのは去年の2学期頃じゃなかったかな?」

 最近こっち(ロンドン)なんか来てなかったしな。
 来る理由がなかったって言うのが1番な理由だけど。
 でも、今回は明確な目的があって来たわけだ。

「で、マキ。アレ(・・)は?」
「あるよ。入ってきて」

 そう言われたので俺は突入(?)する。
 中は……めちゃくちゃ綺麗じゃ無いですか。
 ゴミ1つ無いと言っても過言じゃ無いくらい綺麗だな。

「はい、シュウ君」

 唐突にマキに介入された俺は意識を現実へと戻した。
 マキが手にしているのは、2本の真剣。それも日本刀である。

「ありがとう。悪いな、長い間預かって貰って」

 お礼を言いながらそれを受け取る。
 この2振りの刀は俺の持っていた刀である。
 今右手に持っている、鞘に藍色のラインが入っている刀は『霧雨』。
 そして左手に持った、鞘に琥珀色のラインが入った刀が『雷鳴』。

 どちらも、俺が神奈川武偵高付属中学の時から使っている武器だ。
 だが、ある時から俺は真剣を振ることを辞めてしまった。
 その代わりに使っていたのが、あの逆刃刀だ。

「それから、逆刃刀壊しちまった……悪い」
「ううん、シュウ君が無事ならそれで良いよ。それに、また壊れても私が打ち直してあげるよ」

 あの逆刃刀はマキが打ってくれたもの。
 俺が刀を振らないと誓ったあの日に送ってくれたもの。
 そんな大切な物を壊してしまった。

「……」

 俺は無言で折れた逆刃刀を見つめた。

「とても大事にしてくれていたんだね」
「ああ」

 当たり前だろ。
これはここまでの人生で1番嬉しかっ
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