第1.5章(AA1巻) 切られし火蓋(リマインド)
第14弾 〜G and H(『武力』と『理力』)〜
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の間静寂が其処を支配していた。
そして、その静寂を断ち切るかのように金属片の落ちる音がした。
俺は閉じていた瞳をゆっくりと開いた。
そこには???刀身の真ん中辺りから刃の折れた逆刃刀が映った。
「???ッ!!」
さらに俺の制服のブレザーの胸元に切れ目が入った。
いつの間に切ったんだよ……! 全く見えなかった。
出血はしていないとはいえ、これは素直に不味いかもしれない。
「サード、このまま行くと殺しちゃうけど?」
「そいつが死んだらそれまでって事だ」
なんだよその扱い……だけど、本当に死んだらそれまでだな、この状況。
なんとしても切り抜けなければ……!
俺はフォースの方へと振り向く。
「まだやるの?」
フォースは刀を構え直しながら言った。
「ああ。俺は逃げるってのは得意じゃなくてね」
そう言った途端にフォースは飛びかかって来た。
しかも、速い……!!
フォースは剣の切っ尖を突き刺す勢いで迫って来る。
「あーあ、残念。結局非合理的だからやられちゃうんだよ」
言葉と共に俺の胸へと剣が当たるその刹那???俺は左手を突き出し刃を受け流す。
やっぱりここまで来るとお前に頼るしか無いみたいだな。バーストモード!
「流した?!」
フォースはいきなりの事に驚いていた。
俺は折れた右手の刀を思いっきり横一文字に振る。
振った時の勢いで、フォースを5メートル程後ろに飛ばす。
飛ばされたフォースはバク宙を決めて着地する。
「ふーん、私達と同じか」
何かを理解したと言ったような感じでフォースは呟いた。
(同じってどういう事だ?)
考えれば考えるほど分からなくなりそうなので、それに関する思考を中断した。
「フォース、下がれ。後は俺がやる」
そう言って屋根の上にいた奴???サードと呼ばれていた男は目の前に飛び降りて来た。
思考を中断して正解だったみたいだな。
「なんで急に変わったんだ?」
「なったんだろ、強者としてのお前に」
ここまで分かってるのか?! だとしたら、こいつは相当手強いぞ!
「どうだかね!」
俺はしっかりとした返答はせず、左の刃を振りかざす。
サードはその刃を右手の指2本で掴んだ。
何だこれ! 刀がビクともしない。
「こっちのお前でもこの程度か?」
「どうだか???ね!!」
俺は左手の刀を離すと、相手の顎を目掛け右足からハイキックを放つ。
同時に靴に仕込んだナイフを展開し、リーチを伸ばした。
サードは刀を離して、右手で足を捉えた。
全然攻撃がはいらねぇ……!
「チッ
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