第1.5章(AA1巻) 切られし火蓋(リマインド)
第13弾 〜Happening≠Finishing(連続する災難)〜
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2人っきりなんて。
マキは可愛い。多分だけど、アリアにも劣らないんじゃないのかな?
夜のロンドンの静けさが、余計に場の空気を引き立てている気がしてきたよ。
「ねぇ」
マキが唐突に口を開いた。
「どうした?」
「あの時???私と初めて会った時のこと、覚えてる?」
マキと出会ったのは小学校の時。
1年生の時のマキは入学から目をつけられていたらしく、3人組の上級生から虐められていた。
ある時俺は、その場面に出くわした。
その時の俺は、衝動的マキを庇って上級生の前に飛び出していた。
上級生達は、俺を見るなり標的を俺に変更した。
俺はこの時バーストモードになってしまい、上級生を返り討ちにした。
この時からマキと仲良くなり、良く遊ぶようになった。
「ああ、嫌でも覚えてるよ」
小1にして乗能力を行使して相手を返り討ちにしたんだからな。
絶対忘れられないだろ。
俺の言葉を聞いたマキは何故か嬉しそうだった。
理由が全くわからんのだが。心当たりも無いしな。
謎が謎を読んでるな、これ。
「あの時ね、嬉しかったの」
マキが再び話し始めた。
「誰にも助けを求められなくて、とても怖かったの。そんな時、シュウ君が助けてくれた」
「アレは……前にも言ったけどたまたま助けただけ。それに……困っている人を助けるのは当たり前のことだろう」
気恥ずかしくなった俺は、頭の後ろを掻きつつマキとは反対に視線を移す。
そんな感じで言葉を交わせずにいると、前方で大きな音ともに砂塵が舞い上がった。
「「?!」」
俺とマキは急いでそこへ向かった。
そこへ向かってみると、建物の壁に大きなクレーターができており、クレーターの真ん中には同い年ぐらいの白髪の少年が倒れていた。
「おい、しっかりしろ!」
俺は屈んで少年を抱き上げた。
良かった。息はしている。
だが、昏睡状態のようで目を開かない。
少年は額の部分を切ったらしく出血していて、顔の部分には血が垂れてきている。
こいつの顔を何処かで見た気がする……だが、思い出せない。何処でだ……?
そんなことを考えていた俺だが、思考を切って目の前に集中する。
良く見るとこの少年の着ている服、東京武偵高の制服じゃん。
どうりで、どっかで見た気がするわけだ。
「……チッ」
俺は舌打ちをした。
仲間を傷つけたりされるとどうも冷静になれないな。
「マキ、コイツを頼む」
「うん」
俺はマキに少年を頼んだ。
その時のマキは、不安げな表情を浮かべていた。
俺はクレーターとは逆側の路地の方を向き、叫んだ。
「誰だ、こんなことし
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