コラボ特別編:響き翔く天の道
天の道を往く女
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こうも真逆の方向に育ったのか……。
そういえば、天道さんの事をあの人って呼んでたような?
それに「10年以上はあの人の居ない世界で生きて来た」とも……。
どうやら、俺達に話したこと以上に込み入った事情がありそうだ。
「世界線が違うとはいえ、性格がこうも変わるものなんだね」
「私も驚いてる。理論上不可能だと言われた男の装者がいる世界……しかも、まさか翼に弟がいるとは。あちらの世界の翼が聞いたら、二度聞きするだろうな」
純の言う通りだ。ここまで差が出る程の経験をしたのだろう。
しかし、俺が存在しない世界……というのは、聞いてて少し寂しい。
でも、あちらでは奏さんが生きていたり、小日向が装者になっていたりするらしいから、姉さんも寂しくはないだろう。そう思うと安心できる。
「翔がいない世界の私、か。そちらの世界での私達は、私達と何処まで違うのだ?」
「いや、殆ど変わらない。翼も、クリスも、弦十郎さん達もな。ただ、私の性格を除けば……翔、純。お前達二人がいないのと、櫻井了子がフィーネと共にこの世を去った事くらいだ。RN式回天特機装束、というお前達のギアも、少なくとも実戦には投入されていないな。リディアンの姉妹校、というのも聞いた事がない」
姉さんからの質問への答えに、純が少しだけ俯く。おそらく、先程までの俺もそんな顔をしていたのだろう。
特に純の場合、自分がいない世界のクリスを憂いているのは、想像に容易い。
そんな純の心情を察したのか、もう一人の響は純の方を向いた。
「心配するな。戻ったらそれらしい人物に心当たりがないか、クリスに聞いておいてやる。弦十郎さん達に頼めば、すぐに調べてくれるだろう」
「ッ!お願いできる?」
「ああ。辿った道が違うだけで、存在しないという事はない筈だからな」
もう一人の響の言葉に、純は安心したように溜め息を零した。
「あたしの知らないジュンくん、か……。想像もつかねぇな」
「今の僕とは違っても、きっとクリスちゃんを想う気持ちは変わらない筈だよ。だって世界を超えても、違う人生を歩んでいても、僕が僕であることに変わりはないからね」
「ジュンくん……」
雪音の言葉に、サラッとイケメンな答えを返す純。さすがは生粋の王子様。ナチュラル過ぎて突っ込む隙もないし、雪音は見事にツンの取れたデレッデレな表情を見せている。
響、姉さん、俺が揃ってニヤける中、もう一人の響だけが暖かい視線を送るのみに留まっている辺り、あちらの天道っぷりも中々のものだ。
……そうだ!その名前だ!
俺はもう一人の響に向かって提案した。
「なあ、その……君の呼び方だけどさ。こっちの響と区別するの大変だし、『天道響』って呼んでいいか?」
「……何
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