戦姫絶唱してないシンフォギア〜装者達のサマーバケーション〜
それぞれの同棲生活〜翔ひびの場合〜
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向く翔。
そんな二人を、向かいの店のテラス席に座っていた客が、コーヒーカップを片手に見ていた。
「……すみません。頼んだ珈琲はブラックだった筈ですが……」
「お客様、申し訳ございませんが、御注文に間違いは見受けられませんよ?」
「あ、そうですか……ズズッ……ブラックなのに、甘い……」
その客は不思議そうな顔で、向かいの店でクレープ片手に見つめ合う二人を見ては、甘くなってしまったブラック珈琲に首を傾げるのであった。
「たっだいま〜」
「ただいま」
クレープを堪能した二人は、自宅のマンションに戻ると鞄を置き、ソファーへと崩れ落ちた。
「美味ししかったね〜」
「そうだな。また行こう」
そう言って二人は笑い合う。翔は立ち上がり、キッチンへと向かうと、冷蔵庫の中身を確認する。
今日の夕食の献立を決める為、材料を見繕っているのだ。
「鮭があるな……。響、焼き鮭とホイル焼きとムニエル、どれがいい?」
「うーん……悩むなぁ。翔くんが作る料理、どれもすっごく美味しいから……」
「ありがとう。でも、褒めたって鮭は二人分しかないぞ?献立はひとつに絞らないと」
「え〜、どうしよう……。ん〜……じゃあ、焼き鮭で!」
「了解。チーズ乗せてレモンを添えよう」
そう言って夕飯の支度を始める翔。響は先に食器を食卓へと並べると、自分の部屋へと向かった。
自室に入ってドアを閉めると、机の上に置かれている袋の中身を見て、響は溜息を吐いた。
「貰ったはいいけど、どのタイミングで見せればいいんだろう……」
袋の中に入っているのは、猫耳、肉球、服にくっつけるタイプのモフモフとした尻尾といった、所謂コスプレセットだ。
先日、女性職員の一人から『翔くんを癒してあげるのに使ってね♪』と渡されていた物がこれだ。ちなみにその職員さんは、無類の動物好きであり、何故猫耳なのか聞いてみたところ、『マンションだとペットは飼えないでしょ?そういう時はこうするのが一番なのよ』と大真面目な顔で言われてしまえば、素直な響は納得するしかない。
そんな訳で貰ってしまったこの猫コスセットだが、響はそれを着るタイミングに迷い続けていた。
「うーん……貰ってからまだ一度も着てないし、試着してみようかな〜……」
そう言って袋の中からそれらを取り出し、響は試着を始めるのだった。
「これでよし、っと」
翔は焼き鮭を皿の上に乗せ、その上にスライスチーズとレモンを盛り付ける。しばらくすれば、鮭の熱でチーズは溶けて広がるだろう。
今夜の献立は白米、チーズとレモンを添えた焼き鮭、豆腐とワカメの味噌汁、ほうれん草の胡麻和え。
それらを食卓に並べると、翔は響を呼びに向かう。
部屋のドアをノックして、翔は響の名前を呼
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