戦姫絶唱してないシンフォギア〜装者達のサマーバケーション〜
それぞれの同棲生活〜翔ひびの場合〜
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なんてね〜……。いや、まあ、あれだけアニメのクライマックスみたいな王道展開見せつけられちゃうと、納得もしちゃうんだけど」
弓美の言葉に、創世、詩織の二人は頷いた。
何故、アイオニアンの校舎に響達リディアンの生徒がいるのか。それはルナアタック解決直後に遡る。
カ・ディンギルにより、リディアン音楽院高等部の校舎は崩壊した。
これにより、代わりとなる新校舎が見つかるまでの間、リディアンの生徒らは姉妹校であるアイオニアン音楽院の校舎を使う事になったのだ。
そのついでに、クリスと純の同棲をちょっとだけ羨んだ響の提案により、翔もアイオニアンの学生寮を引き払い、響との二人暮しを始める事に決める。
姉である翼からはあっさりとOKサインを貰い、最大の障害になるかと思われた未来もまた、これまでの二人を顧みてこれを了承。
今の二人は、クリスと純が住むマンションのすぐ隣の部屋に同棲しているのだ。
「……ううん、いつまでも響に依存してちゃダメなんだ!響は前に向かって歩き続けてる。わたしも前に進まなきゃ!」
自分の頬を両手で叩いて気合を入れる未来。その様子を見て、創世ら三人は顔を見合わせた。
「あんまり気張り過ぎて、うっかり折れないでよ〜?」
「小日向さんは小日向さんの歩幅で、少しずつ進んでいけばいいんです」
「そうそう。ヒナはヒナらしく、ってね」
「みんな……」
未来を囲んで口々に励ます三人。そんな未来にもまた、春が迫っている事を、この時の誰も知る由はなかった。
「う〜ん、美味し〜っ!」
響は注文したクレープを一口齧ると、その薄い生地に包まれたふわっふわの生クリームと、甘酸っぱいイチゴ、その甘さを助長するチョコレートソースが口の中で奏でるシンフォニーを噛み締める。
「響、クリームついてるぞ」
「ええッ!?ど、どこどこ!?」
「こ〜こっ」
チョコバナナクレープを片手に、翔は指で響の頬に付いたクリームを取ると、そのままペロッと舐めた。
「ちょっ、ちょっと翔くん!?」
「い、いいだろ別に……。直接舐めとるよりは、恥ずかしくないだろ……」
互いに頬を赤らめる初々しい姿。付き合い始めてまだひと月と経っていない二人だが、こう見えても告白の際に勢い余ってプロポーズしたり、友人知人その他諸々がカメラ越しに見守る前で公開キスしたりした仲である。もっとも、後者は緊急事態であり、ファーストキスの思い出としてはロマンに欠けるものではあったが。
「そ、それはそうだけど……」
「……恥ずかしかったら、仕返ししたっていいんだぞ……?」
「ッ!?し、仕返しって……その……え……?」
「…………」
突然のキス許可に、耳まで真っ赤になってしまう響。
自分で言い出しておいて、頬を染めながらそっぽを
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