戦姫絶唱してないシンフォギア〜装者達のサマーバケーション〜
それぞれの同棲生活〜純クリの場合〜
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……あたしも、ここまで来れたんだと思う。……ありがと」
「どういたしまして。じゃあ、次は言葉遣いをもう少しだけ、丁寧にしないとね」
「こっ、こいつばっかりはそう簡単には……」
「分かってる。最近、ぶっきらぼうなクリスちゃんも悪くないなって思ってるから、そこは別にいいんだ。……でも、せめて友達を名前呼びしないで、『バカ』って呼び続けてるところはちゃ〜んと直してもらいたいな」
「うっ……ど、努力するよ……」
そんなたわいもない会話をしながら、二人は同じ時間を過ごす。
爽々波純。現在、雪音クリスのマンションに同棲中。
遡ること1週間と何日か前。
フィーネによって引き起こされた一連の騒動は、『ルナアタック事変』と名付けられ、装者五人による月の欠片の破壊は、各国政府の目に触れてしまったことで波紋を呼んだ。
機密を守らなくてはならないため、装者五人はしばらくの間、政府の監視の元で監禁生活を送る羽目になってしまった。
もっとも、本来ならば3ヶ月間のところを司令である弦十郎、そして翔と翼の父親である外交官、風鳴八紘氏の働きかけにより短縮されての1週間だ。
その間に弦十郎は、クリスがちゃんと生活して行けるように手配していたらしく、監視が終わる日に、マンションの鍵を渡してくれた。
「純くん、君には合鍵を渡しておこう」
「いいんですか?」
「ああ。クリス君一人では、彼女が寂しがるからな。君が支えてやるといい」
そう言って弦十郎は、純の肩を軽く叩いた。
それから、純はアイオニアンの学生寮を引き払い、荷物をまとめてクリスの部屋へと移り住んだのだ。
一人暮らし用にしては少し広い間取りは、弦十郎からの気遣いだと気がついた時、純は舌を巻いたらしい。
「ごちそうさま!」
「お粗末さまでした」
二人で手を合わせて食事を終える。
席を立ったクリスは、食器を片付けながら言った。
「食器はあたしが洗っとくから、ジュンくんは休んでなよ」
「いいのかい?」
「ああ。これくらいのお礼はさせろよな。……あたし、ジュンくんからは色々と貰いっぱなしだし……」
帰る場所、美味しいご飯、優しい言葉と、そして温もり。
クリスは純から多くを貰った。それこそ、何度感謝してもしきれないくらいだ。
純はクリスが幸せならそれで充分だと言うが、それで物足りるクリスではない。同じだけのものを返したい。そうして初めて、自分は心の底から満ち足りる。クリスはそう思っていた。
食器を洗い終わり、クリスは純の方へと向かう。
リビングを見ると純は、ソファーに座って寛ぎながらテレビを見ていた。
「ジュンくん、食器片付いたぞ」
「ありがとう。お風呂沸かしておいたから
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