暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第6楽章〜魔塔カ・ディンギル〜
第62節「流れ星、墜ちて燃えて尽きて、そして──」
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あああああッ!」」

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」」」」」

 翼が振るう極大の剣が。クリスが放つ無数のミサイルが。
 純が最速で投擲する盾が。翔がつがえた数多の光矢が。
 そして、響が繰り出す全力の拳が。
 その全てが月の欠片へとぶつけられ……やがて、地球目掛けて落下しようとしていた巨大な石礫は、粉々に粉砕された。

 地球の環境を一変させる未曾有の大災害は、五人の少年少女らの歌によって防がれたのだった……。





 


 成層圏の外での、月の欠片が破壊された事による爆発の光景は、地上にまで届いていた。
 夜空を切り裂いて煌めく幾つもの光……大気の中で燃え尽きていく月の破片を見上げて、未来は大粒の涙を零しながら膝を着いた。

「あ、ああ……流れ星…………うッ……あ、ああッ、うわあああああああああああああッ!」
 今度は皆で流れ星を見よう。響と交わした約束を思い出して、未来は泣き崩れる。
「小日向さん……」
 未来の傍へと駆け寄る恭一郎だったが、なんと声をかければいいのか分からず、口を閉ざしてしまう。
 他の面々もそれは同じであり、ただ、その背中を見つめるばかりだ。

「……むッ!?──はぁッ!」
「ッ!?危ないッ!」
 了子を友里に任せ、弦十郎が駆け出す。
 燃え尽きずにこちらへと落下してくる月の欠片が迫って来ていたのだ。
 弦十郎は跳躍すると、その破片を拳ひとつで粉微塵に粉砕し、未来と恭一郎の隣へと着地した。
 恭一郎は弦十郎が飛び出した際に月の欠片に気が付き、未来を庇う姿勢で立っていたが、拳ひとつで小型の隕石も等しい岩塊を粉砕した弦十郎に驚き、ポカンと口を開けている。

「く……ッ!?」
「風鳴司令ッ!無理をすれば傷が──ッ!」
「──五人が命を賭して守った物を、これ以上、傷つけさせるわけにはいくまい……」
「──そうですね」
 司令と共に、緒川も前に出る。
 この場で最も強い弦十郎と、それに並ぶ緒川が並び立ち、迫る月の破片から残された者達を守る為に身構えた。

「司令ッ!また欠片が──ッ!」
 新たに落下して来た影に、藤尭が叫ぶ。
「──任せておけッ!……いや、違う、あれは──ッ!」
 最初は点だったその影は、地上へと迫るにつれてその輪郭を確かにしていく。
 握っていた拳を下ろし、空を見上げる弦十郎と緒川。

「あ……ねぇ、アレって……ッ!」
「ええ、ええ……ッ!アレはきっと、ナイスなものですッ!」
「オイオイ、マジかよ……なんてこったッ!」
「星と共に来たる、か……まったく、何処まで先を行くんだ……ッ!」
「まさかここまでやるなんて……。常識が吹っ飛んでいる……ッ!」
 弓美、詩織、紅介、
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