暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第6楽章〜魔塔カ・ディンギル〜
第61節「Synchrogazer」
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ごうとする。
 しかし、最初の刀は結界へと突き刺さり、もう一本の刀がその刀のピッタリ真後ろに命中して、それを押し込んだ。
 砕ける結界。遂に命中した一閃が、爆煙と共に強い衝撃波を放った。

 そして、その衝撃波に吹き飛ばされ……最後の切り札は宙を舞う。

「立花ッ!そいつが切り札だッ!」
「ッ!デュランダル……!」
 宙を舞うデュランダルが、響の方へと向かっていく。
「勝機を零すな、掴み取れッ!」
「ちょっせぇッ!」
 その重さで落ちそうになるデュランダルを、クリスがハンドガン型に変形させたアームドギアで撃ち、弾かれたデュランダルは空中でバウンドするような軌道を描いて響の元へと真っ直ぐに飛んでいった。
(翼さんとクリスちゃんが、翔くんと純くんが繋いでくれた希望ッ!この手で──掴み取るッ!)
 その手に再び飛んで来たデュランダルを、響はしっかりと掴み取った。

 次の瞬間、周囲の景色が暗転する。
「デュランダルをッ!?」
「ぐ、うウウ、ウウウウウ……ッ!」
 デュランダルを掴んだ瞬間、響の瞳が赤く染まり、純白のエクスドライブが黒一色の影に包まれる。
 羽は悪魔を思い起こさせるように禍々しいものになり、響の意識は再び暗闇の底へと──堕ちるかと思われていた。

「Listen to my song──」

 戦場に響き渡ったその旋律は、愛の詩を乗せた音楽として広がった。
 響その場にいる全ての者の目が、それを奏でる者へと向けられる。
 響がその隣を見ると、そこには……アームドギア・天詔琴を手に伴奏する翔の姿があった。

 翔はただ何も言わず、響を真っ直ぐに見つめ返すとそのまま伴奏を続けながら、胸の歌を唄い始めた。
「僕の声は聴こえていますか──」
 その歌に答えるように、翼は響の元へと向かう。
「答えのない虚構の空目指し──」
 それに続いてクリス、純もまた、その後へと続いた。
「言葉じゃ足りないから──」
「僕の全て受け止めて──」
 歯を食いしばっていた響の顔から、影が剥がれる。
 しかし、その身はまだ殆どが黒に覆われており、デュランダルの制御にはもう少しかかると思われていた。

 その時、シェルターへと続くシャッターが轟音を立てて破壊され、中から何人もの人々が飛び出す。
「正念場だッ!踏ん張り所だろうがッ!」
「……ッ!」
 第一声を放ったのは弦十郎だった。力強い声で、響を奮い立たせる。

「強く、自分を意識してくださいッ!」
「昨日までの自分をッ!」
「これからなりたい自分をッ!」
 続いて緒川、藤尭、友里の三人が、真っ直ぐな声で呼びかける。

「……ッ!みんな……」

 辿り着いた翼とクリスが、響の隣に並び、聖剣を握る響の手に自分達の手を添える。
「屈する
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