暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第6楽章〜魔塔カ・ディンギル〜
第60節「エクスドライブ」
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り込み始めた。
「あの時の俺と同じ……融合しているのかッ!?」
「ッ!見てッ、ノイズがッ!」
 ソロモンの杖との融合を始めた途端、形状を変化させたノイズがフィーネの身体に群がり始めた。

 フィーネの周囲だけではない。街中に残っていたノイズが全て集合し、溶けて集まっていく。
 残っていたノイズだけではない。ソロモンの杖によって新たに呼び出されたノイズもまた、フィーネの身体に集り、混ざりあってひとつになっていく。
 まるで、骨組みに粘土を幾重にもくっつけるかのように、フィーネの身体はどんどんノイズに覆われていった。
「ノイズに、取り込まれてる……?」
「そうじゃねぇッ!あいつがノイズを取り込んでんだッ!」
 やがて、ノイズの塊は柱のように天へと伸びる。
「……来たれ」
 溶けたノイズに埋もれながら、フィーネは高らかにそれを呼んだ。

「デュランダルッ!」

 崩壊したカ・ディンギルの砲門の中へと流れ込んだノイズの塊は、その中心部にするデュランダルをも取り込むと、ハッキリとした形を得て、その姿を現出させた。
 生まれたのは巨大な赤黒い身体を持つ蛇。その頭部には、ステンドグラスのような模様があり、まるで聖堂のようにも見えた。
 蛇は鎌首をもたげると、装者達……ではなく街の方を向いて、そのエネルギーを解き放った。
 次の瞬間、その一撃に見舞われた街は、一瞬で焦土と化していた。
「街がッ!?」
「なんて威力だ……」

『逆さ鱗に触れたのだ……相応の覚悟は出来ておろうな?』
 振り返った五人の視界に現れたのは、聖堂のようになった蛇の頭部に、鎮座するかのように同化したフィーネの姿。
 その胸にはソロモンの杖の意匠があり、その右手にはデュランダルを携えている。
 黄金の剣、白銀の杖、青銅の蛇の鎧。まさに、永遠を生きる巫女が持つに相応しい、三位一体で揃った完全聖遺物が、ここに『黙示録の赤き竜』を降臨させた。
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