暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第6楽章〜魔塔カ・ディンギル〜
第60節「エクスドライブ」
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 神話を齧っている彼には、バビロニアの宝物庫もまた、よく知っている名称だ。
 シュメール文明発祥の地、ギルガメッシュ王が統治した黄金の都市として名高きバビロニア。その宝物庫には、ありとあらゆる財宝が納められているとされている。
『その宝物庫がまさか、ノイズのプラントだったとは……』

「──怖じろぉッ!」

 フィーネは呼び出したノイズらを、装者達へと突撃させると、ソロモンの杖を天高く掲げ、その光を空へと放つ。
 その光は街中に降り注ぎ……次の瞬間、街を埋め尽くす夥しい数のノイズが召喚された。
 大小問わず、これまで見てきたあらゆる個体が無人の街を埋め尽くし、その様はまるで、命を飲み込む一つの海のようであった。
「ハハッ!」
「街のあちこちにノイズがッ!」
 背中を合わせる五人。純は足元を見回し、ノイズの大群を見下ろしてはその数に驚く。
「おっしゃあ!どいつもこいつも、まとめてブチのめしてくれるッ!」
 そう言って、クリスが真っ先に飛び出して行った。
「ああ、クリスちゃんッ!……やれやれ、やっぱり昔と変わらず、お転婆なお姫様だ。翔、こっちは任せて!」
「おう。こっちには遠慮せず、思いっきり姫様守ってきな!」
 翔と拳を合わせると、純もまた、クリスを追って飛び立って行った。

「……翔くん、翼さん」
「ん?」
「どうした、響?」
 自分達も、と思った所で響に声をかけられ、振り向く姉弟。
「わたし、二人に──」
 暴走し、二人を傷付けてしまったことを覚えている響が、その事を詫びようとしているのが見て取れた。
 そんな響を見て、翼は静かに答えた。

「……どうでもいい事だ」
「え……?」
「翔は私の呼び掛けに答えてくれたし、立花は翔の言葉に自分から戻ってきてくれた。お前達は二人とも強いんだ。だから……自分の強さに、胸を張れッ!」
「翼さん……」
 翔は響の肩を軽く叩きながら微笑んだ。
「よかったな、響。晴れて半人前卒業だぞ」
「ふふ、まだまだ修行は足りんがな。──一緒に戦うぞ、翔、立花」
 その言葉は、以前に響が何度も言っていたものだった。
 響はそれに気付くと、満面の笑みで頷いた。
「……はいッ!」
「よし!行くぞッ!」
 三人はクリスと純が向かった方角とは逆の方へと飛び立ち、それぞれの得物をその手に握った。

「「「「「さあ、世界に光を──!」」」」」

〈我流・撃槍衝打〉

 2体の巨大ノイズへと突き刺さり、余波でその足元の群れまでも消し飛ばしたのは、響の放った純白の拳。

『うおぉぉらあぁぁッ!やっさいもっさいッ!』

〈MEGA DETH PARTY〉

 クリスのアームドギアは大きく姿を変え、巨大な弓状の戦闘機となって空を飛び回り、空中のノイズ達を一斉
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ