暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
第1章(原作1巻) 緋色の改革者(リフォーマー・スカーレット)
番外編 〜Chasing(追跡)〜
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「普通の高校生ですよ」

 男性の言葉に対して俺はそう返した。

「基本的には、ね」

 そう付け加えて、隣を見た。
 それを聞いた男性は、分かってくれたらしく苦笑いしながら言った。

「確かにそうかもね」

 ここで俺はあることに気づく。

「そういえば、自己紹介がまだでしたね」

 そう言って自己紹介をした。

「東京武偵高2年強襲科所属の樋熊シュウヤです」

 俺に続いてカズマも自己紹介した。

「東京武偵高2年強襲科所属、石田カズマです。宜しく」

 相変わらず、何処と無く軽い自己紹介だな。

「山本翔太です。翔太で構わないよ」

 と言った感じで自己紹介が終わった。
 すると翔太さんがいきなりこういった。

「ほぼ初対面だけど、僕の相談に乗ってもらってもいいかな? お礼の代わりとして」
「いいですよ。カズマは……放っておこう」
「え、酷く無い?」
「だって、お前こういう事で当てにできないし」
「そんなの聞いてみなきゃわからないだろう?」

 一理あるな。

「2人ともOKってことでいいのかな?」
「はい」

 そう返すと、翔太さんは実はね、と言って話し始めた。

「僕は近々お見合いをするんだ。でも僕は、あまりそういうのをしたく無いんだよ」

 そう言った翔太さんは少し俯きながら続ける。

「でも、断りにくくてね。僕の家は昔から厳しくて、親の言うことが絶対みたいな感じの家なんだ。2つ上の兄さんがいるんだけど、彼もまた親の紹介した人とお見合いして結婚した後家を出たんだ」

 俺はここで質問した。

「どうしてお見合いが嫌なんですか?」
「僕には、好きな人がいるんだ。できることなら僕はその人と結婚したい。けど、親にそのことを伝えていなくてお見合いする流れになったんだ」

 今度はカズマが問いかける。

「どうして伝えていないんですか?」
「恥ずかしい話だが、伝えるのが怖いんだ。親に何て言われるのかが想像がつかなくてね」

 この人は多分だが、親に反抗したことが無いのだと思う。
 だから、自分の意見を通せないままここまで生きてきたのかもしれない。

「僕は、どうするべきなのかな?」

 翔太さんはそう言い、俯いた。
「自分の意思はしっかり伝えるべきです」

 俺はそう答えた。

「僕もそう思います」

 カズマも続けてそういった。

「でも???」
「翔太さん」

 俺は彼の言葉を遮った。

「自分の意思ははっきりと自分の口で伝えるべきです」
「けど……」
「何も行動を起こさずに決めつけるのは、いいことだとは思いません。それとも翔太さんは、行動を起こさないまま終わってしまってもいいんですか?」


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