第1章(原作1巻) 緋色の改革者(リフォーマー・スカーレット)
番外編 〜Chasing(追跡)〜
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「普通の高校生ですよ」
男性の言葉に対して俺はそう返した。
「基本的には、ね」
そう付け加えて、隣を見た。
それを聞いた男性は、分かってくれたらしく苦笑いしながら言った。
「確かにそうかもね」
ここで俺はあることに気づく。
「そういえば、自己紹介がまだでしたね」
そう言って自己紹介をした。
「東京武偵高2年強襲科所属の樋熊シュウヤです」
俺に続いてカズマも自己紹介した。
「東京武偵高2年強襲科所属、石田カズマです。宜しく」
相変わらず、何処と無く軽い自己紹介だな。
「山本翔太です。翔太で構わないよ」
と言った感じで自己紹介が終わった。
すると翔太さんがいきなりこういった。
「ほぼ初対面だけど、僕の相談に乗ってもらってもいいかな? お礼の代わりとして」
「いいですよ。カズマは……放っておこう」
「え、酷く無い?」
「だって、お前こういう事で当てにできないし」
「そんなの聞いてみなきゃわからないだろう?」
一理あるな。
「2人ともOKってことでいいのかな?」
「はい」
そう返すと、翔太さんは実はね、と言って話し始めた。
「僕は近々お見合いをするんだ。でも僕は、あまりそういうのをしたく無いんだよ」
そう言った翔太さんは少し俯きながら続ける。
「でも、断りにくくてね。僕の家は昔から厳しくて、親の言うことが絶対みたいな感じの家なんだ。2つ上の兄さんがいるんだけど、彼もまた親の紹介した人とお見合いして結婚した後家を出たんだ」
俺はここで質問した。
「どうしてお見合いが嫌なんですか?」
「僕には、好きな人がいるんだ。できることなら僕はその人と結婚したい。けど、親にそのことを伝えていなくてお見合いする流れになったんだ」
今度はカズマが問いかける。
「どうして伝えていないんですか?」
「恥ずかしい話だが、伝えるのが怖いんだ。親に何て言われるのかが想像がつかなくてね」
この人は多分だが、親に反抗したことが無いのだと思う。
だから、自分の意見を通せないままここまで生きてきたのかもしれない。
「僕は、どうするべきなのかな?」
翔太さんはそう言い、俯いた。
「自分の意思はしっかり伝えるべきです」
俺はそう答えた。
「僕もそう思います」
カズマも続けてそういった。
「でも???」
「翔太さん」
俺は彼の言葉を遮った。
「自分の意思ははっきりと自分の口で伝えるべきです」
「けど……」
「何も行動を起こさずに決めつけるのは、いいことだとは思いません。それとも翔太さんは、行動を起こさないまま終わってしまってもいいんですか?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ