第1章(原作1巻) 緋色の改革者(リフォーマー・スカーレット)
番外編 〜Chasing(追跡)〜
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ところで、もう1人の方は?」
「呼びましたかー?」
ヒョイっ、と俺の背後からカズマが顔を出す。
「あ、いた(なんで無傷なんだろう……」
「あ、こいつのことは気にしないでください」
「もしかして、顔に出てた?」
「ええ、なんとなく。こいつが何故無傷なのかが気になってるっていうような顔してたんで」
俺は包み隠さず本当のことを伝えた。
「はは、こりゃ、隠し事はできなそうだね」
「平常を装っていた方がいいですよ」
「そうみたいだね」
「まぁ、通称が『人外』ですからね」
「君は少し黙ろうか」
「ウィッス」
ここで、気になっている人もいると思うので補足を入れておくが、今着ている制服は乾いている。
なぜかと言えば、装備科の平賀さんに制服を届けて貰ったからである。
ただ、配達料はめっちゃくちゃ高いけど。料金は、今回の騒動の当事者持ちである。
「???以上の理由から、制服は濡れていないと」
「一体、何のことを言っているんだい?」
「気にしないでください。取り敢えず行きましょう」
〜武偵移動中〜
というわけで、近くの喫茶店にやって来た。
座っている席は大通りに面した窓際の席である。
その窓から何気無く外を見ていると武偵高の生徒の姿が見えた。
あれは確か強襲科の奴だったかな。
多分依頼でこの辺りを訪れているのであろう。
俺は視線を目の前の男性へと戻した。
「改めて、助けていただきありがとうございます」
「そんな改まらなくても」
そう言った男性は微笑んだ。
対面に座って改めて顔を確認すると、アレ? 今回の標的じゃんこの人。
「君達は武偵高の生徒だよね?」
「はい。それがどうかしました?」
俺の問いに男性は、実はと言って答えた。
「僕はあまり武偵というものを信頼出来なくてね。あまりいいイメージを持て無いんだ」
この人の言っていることはよくわかる。
武偵という職業は、世間的に観ても賛否が分かれるものなのだ。
特に武偵を育成する機関などはその中でも風当たりが強いのである。
早いうちから銃などを握らせるという所が批判が多い理由になっているのだと思う。
反面、武偵に憧れを持つ者も多い。
キンジはどうだか良く分からんが、俺なんかはその部類だ。
この人は、武偵という職業をあまりよく思っていないのかもしれないな。
「でも、君達は少し違うかな」
唐突にそう言われた俺は驚いた。隣に居るカズマは???ドリンクバーにあったメロンソーダを飲んで御満悦的な顔をしていた。
相変わらずマイペースだなこいつ。
「なんだか見ていて、普通の高校生みたいだからね」
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