第6楽章〜魔塔カ・ディンギル〜
第59節「シンフォギア」
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
司令ッ!周辺区画のシェルターにて、生存者、発見しました」
「そうか、良かったッ!」
緒川からの報告に安堵する弦十郎。すると、ディスプレイに映っていた響の映像を見た一人の少女が、ぱぁっと顔を明るくした。
「あっ!おかーさん、カッコいいお姉ちゃんだッ!」
「あっ!ちょっと、待ちなさい!」
母親の元を離れ、少女は藤尭が座る机の方へと駆け寄る。
「すいません……」
謝る母親に、創世が声をかける。
「ビッキーの事、知ってるんですか?」
「ええ……詳しくは言えませんが、うちの子はあの子に助けてもらったんです。自分の危険を顧みず、助けてくれたんです。きっと、他にもそういう人達が……」
「……響の、人助け」
そこへ、更に二人の市民が入って来る。
「おや、あの時の少年じゃないか!」
「この子があの時の、ですか?」
サングラスをかけた黒髪の男性が、パートナーらしき金髪の女性と共に、ディスプレイに映る翔を見て驚いていた。
「あの、失礼ですがあなたは……?」
怪訝そうな顔をする恭一郎に、男性は微笑みながら答える。
「なに。少し前にたまたま出会って、ちょっと人生相談を受けただけの仲だよ」
「は、はぁ……」
「ねえ、カッコいいお姉ちゃん、助けられないの?」
ディスプレイを覗き込み、響が大変な事になっているのだけは理解した少女は、響を心配する気持ちでいっぱいなのがよく分かる表情で、未来達を見回した。
「……助けようと思ってもどうしようもないんです。わたし達には、何も出来ないですし……」
「じゃあ、一緒に応援しよっ!ねえ、ここから話しかけられないの?」
少女にそう聞かれ、藤尭は俯きながら答える。
「あ……うん、出来ないんだよ……」
「あ、応援……ッ!」
すると、未来は何かに気が付いたように、弦十郎の隣へと向かう。
「ここから響達にわたし達の声を、無事を報せるには、どうすればいいんですか?……響を、翔くんを助けたいんですッ!」
「助ける……?」
「学校の施設がまだ生きていれば、リンクしてここから声を送れるかもしれませんッ!」
「何をすればいいんですかッ!」
藤尭の言葉に希望を見いだした未来は、自分に出来る事をするべく名乗り出る。
「待って、ヒナッ!」
「……止めても無駄だよ、わたしは響と翔くんのために──」
「わたしもです」
「え……」
手を挙げたのは、詩織だった。創世も頷いている。
「あたしも……あたしにも手伝わせてッ!こんな時、大好きなアニメなら、友達の為にできる事をやるんだ──ッ!」
先程まで泣き続けていた弓美も、吹っ切れたのか覚悟を決めた目でそう宣言する。
「僕達も手伝おう。翔が、純が僕達を守る為に頑張ったんだ。今度は僕らが、それに応えるッ!」
「僕も同じだ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ