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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第6楽章〜魔塔カ・ディンギル〜
第59節「シンフォギア」
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司令ッ!周辺区画のシェルターにて、生存者、発見しました」
「そうか、良かったッ!」
 緒川からの報告に安堵する弦十郎。すると、ディスプレイに映っていた響の映像を見た一人の少女が、ぱぁっと顔を明るくした。
「あっ!おかーさん、カッコいいお姉ちゃんだッ!」
「あっ!ちょっと、待ちなさい!」
 母親の元を離れ、少女は藤尭が座る机の方へと駆け寄る。
「すいません……」
 謝る母親に、創世が声をかける。
「ビッキーの事、知ってるんですか?」
「ええ……詳しくは言えませんが、うちの子はあの子に助けてもらったんです。自分の危険を顧みず、助けてくれたんです。きっと、他にもそういう人達が……」
「……響の、人助け」
 
 そこへ、更に二人の市民が入って来る。
「おや、あの時の少年じゃないか!」
「この子があの時の、ですか?」
 サングラスをかけた黒髪の男性が、パートナーらしき金髪の女性と共に、ディスプレイに映る翔を見て驚いていた。

「あの、失礼ですがあなたは……?」
 怪訝そうな顔をする恭一郎に、男性は微笑みながら答える。
「なに。少し前にたまたま出会って、ちょっと人生相談を受けただけの仲だよ」
「は、はぁ……」
「ねえ、カッコいいお姉ちゃん、助けられないの?」
 ディスプレイを覗き込み、響が大変な事になっているのだけは理解した少女は、響を心配する気持ちでいっぱいなのがよく分かる表情で、未来達を見回した。
「……助けようと思ってもどうしようもないんです。わたし達には、何も出来ないですし……」
「じゃあ、一緒に応援しよっ!ねえ、ここから話しかけられないの?」
 少女にそう聞かれ、藤尭は俯きながら答える。
「あ……うん、出来ないんだよ……」
「あ、応援……ッ!」

 すると、未来は何かに気が付いたように、弦十郎の隣へと向かう。
「ここから響達にわたし達の声を、無事を報せるには、どうすればいいんですか?……響を、翔くんを助けたいんですッ!」
「助ける……?」
「学校の施設がまだ生きていれば、リンクしてここから声を送れるかもしれませんッ!」
「何をすればいいんですかッ!」
 藤尭の言葉に希望を見いだした未来は、自分に出来る事をするべく名乗り出る。
「待って、ヒナッ!」
「……止めても無駄だよ、わたしは響と翔くんのために──」

「わたしもです」
「え……」
 手を挙げたのは、詩織だった。創世も頷いている。
「あたしも……あたしにも手伝わせてッ!こんな時、大好きなアニメなら、友達の為にできる事をやるんだ──ッ!」
 先程まで泣き続けていた弓美も、吹っ切れたのか覚悟を決めた目でそう宣言する。

「僕達も手伝おう。翔が、純が僕達を守る為に頑張ったんだ。今度は僕らが、それに応えるッ!」
「僕も同じだ。
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