第6楽章〜魔塔カ・ディンギル〜
第56節「守るべきものがある、それが真実」
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げる。
「ぐッ──だが、足掻いたところで所詮は玩具ッ!カ・ディンギルの砲撃を止める事など──」
デュランダルからのエネルギーチャージはほぼ完了。月のど真ん中へと標準を合わせ、それを穿つ一撃が今まさに放たれようとしていた。
フィーネがほぼ勝利を確信する、まさにその瞬間だった。……その唄が聴こえてきたのは。
「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl──」
「あ──」
辺り一帯の空間がピンクに染まる。クリスが何をしようとしているのかを察し、フィーネの表情に焦りが浮かんだ。
「この歌……まさかッ!?」
「絶唱──」
「あいつ……ッ!」
ミサイルが到達する限界高度まで上昇し、それを飛び降りたクリスは、スカート部分からエネルギーリフレクターを展開する。
「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl──」
アームドギアを二丁拳銃へと変形させ、リフレクターへと撃つと、本来は広域拡散されるはずのエネルギーベクトルは、リフレクター同士の間を反射して収束されていく。
それはまるで、彼女の背後に巨大な蝶の羽を形成するかのように広がった。
絶唱を唱え終わると同時に、クリスの持つ二丁拳銃は超ロングバレルのキャノン砲へと変わる。
それを連結すると、クリスは自身のギアに残るありったけのエネルギーを銃口へとチャージした。
やがて、地上から緑色の強烈な光が月へと目掛けて発射された。
それと同時にクリスも引き金を引く。背後に広がっている、月明かりに照らされた蝶の羽からの光線も、キャノン砲から放たれたビームへと一点へと集中され、ピンク色の眩い閃光を放つ。
月と地球の間でぶつかり合う、2色の光。
「なっ……」
その光景に翔も、響も、翼も……そして、地下で見守る二課の面々も目を奪われた。フィーネでさえもが、驚愕の声を上げる。
「一点収束ッ!?押し止めているだとぉッ!?」
バレルが徐々にひび割れていく。
纏うギアに亀裂が走る中で、クリスは口角から血を垂らしながら独白した。
(ずっとあたしは……パパとママの事が、大好きだった……ッ!だから、2人の夢を引き継ぐんだッ!パパとママの代わりに、歌で平和を掴んでみせるッ!あたしの歌は……──その為にッ!)
徐々に押し返
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