第1章(原作1巻) 緋色の改革者(リフォーマー・スカーレット)
第12弾 避けられない衝突
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掴み直そうとした。
「……ッ?!」
しかし、その刀を掴むことができず刀は床へと落ちた。
なんだ、この左手に感じる違和感は? 自由に動かすことができない。
俺は、無理矢理左手を地面について左へとローリング行い、ナイフを避けた。
「あれれ〜、さっきまでの威勢はどうしたのかな〜?」
理子は、嘲るような顔で言った。
「ッ……」
駄目だ、形勢が逆転している……!
一体どうなってるだこれ?
俺の身に何が起きているんだ?
分からない……。
それに、この状況も打開しなければならない。
こんな窮地でどうすれば良いんだよ……。
策はある。だが、一か八かの賭けになる。
やるしか無いみたいだな、可能性に賭けて。
俺は震える左手を懐に入れて、弾倉を取り出した。
それを見た理子はこう言った。
「悪足掻きかな〜?」
俺は、その弾倉を投げつけた。
瞬間、弾倉は眩い光を放った。
「……?! これは?」
「閃光弾装、お手製の武装さ」
彼女の言葉に対して、あの時と同じ台詞で返す。
そして、光が収まる前にブレザーを脱いだ俺は、刀を破棄してブレザーを彼女に覆い被せる為に飛びかかった。
近距離であれば、体格で圧倒できる。その結論に至った俺はこの作戦を決行した。
しかし、飛びかかった瞬間、僅かに機体が揺れた為に誤差が生まれてしまった。
おまけに、ブレザーを離してしまった。
その、ブレザーの死角から彼女???『武偵殺し』は現れた。
そして俺は、ナイフで切りつけられた。
左肩から鎖骨の辺りまで、そんなに深くは無いのだろうが傷ができていた。
俺は飛んだ勢いのまま床に倒れて幾らか滑った。
左肩からは血が飛び散っている。
俺の意識は徐々に薄れて行った。
薄れ行く意識の中で理子の声が聞こえてきた。
「残念だったな〜。シュー君ならもっとやってくれると期待してたんだけど〜。まぁ、しょうがないよね」
そう言った彼女は俺の首元にナイフを突きつけていた。
「じゃあ、バイバイだね」
ああ、俺はここで終わってしまうのか。
結局、あいつ???マキの所に行くということも遂げられず、ただただ『武偵殺し』による犠牲者になってしまうのか。
そして、ナイフが俺の首を裂こうとした瞬間、理子がナイフを止めた。
突然理子は、背中を向けどこかへ行こうとした。
途切れそうな意識の中、俺は尋ねた。
「何処へ……行くんだ……?」
顔だけこちらに向けた理子は答えた。
「あの2人の元だ。お前はあくまで余興に過ぎない。あの2人こそがあたしの目的の本命なんだからな」
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