第6楽章〜魔塔カ・ディンギル〜
第55節「月を穿つ」
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シェエル》 Nescell gungnir tron──」
「──Imyuteus Amenohabakiri tron──」
「──Killter Ichaival tron──」
弓、拳、刀、クロスボウが構えられる。
クリスの初撃が足元に命中し、校舎を飛び降りるフィーネ。
その瞬間を狙い、響は飛び蹴りの構えを、翼は刀を振り上げ、クリスはクロスボウを収納して拳を握って飛びかかり、翔は少し離れて弓を構えた。
その頃、地下シェルターの一室では、カ・ディンギルの起動により突如襲って来た揺れから身を守るべく、創世、弓美、詩織の3人が折り畳み机の下に隠れていた。
3人の中でも、とりわけ弓美は振り乱しており、揺れの影響でドアが開かなくなってしまった事を知ると、床に座り込んで震えていた。
「このままじゃ、あたし達死んじゃうよ!もうやだよぉぉ……!」
「弓美!しっかりしてよ!」
「そうですよ!きっと助けが来ます!ですから……」
「助けっていつ来るのよ!こんな時、アニメだったら助けてくれるヒーローが現れるけど、ここは現実!助けなんていつ来るか分かんないじゃん!」
リディアンの襲撃に、目の前でノイズに殺される人間を見てしまった恐怖。そして密閉されたシェルターの中に閉じ込められてしまった現状。
3人の内、誰かがヒステリーを起こすのは必然だった。他の2人も、弓美を落ち着かせなきゃ、という気持ちで何とか自身を奮い立たせているが、それも何時まで持つのかは分からない。
「誰か……誰か、助けてよぉぉぉぉぉ!」
「誰かいるのか!」
その時、開かなくなったドアの向こうから声が聞こえた。
聞き覚えのあるその声。創世が真っ先に返事をした。
「助けてください!ドアが開かなくて……」
「わかった。ドアを突き破るから、離れていてくれ!」
3人がドアの前を離れると、外からの声が1人ではなくなる。
「行くぞ、流星!」
「うん、兄さん!」
「「兄弟必殺!ダブル・ジャンタックル!」」
次の瞬間、ひしゃげていたドアを破って、双子の少年が現れる。
「大丈夫か!?」
「兄さん、言い方固いよ……。大丈夫?」
2人の顔を見た創世達は、揃って驚いた。
「え!?もしかして流星!?」
「アス!?アスだよね!?」
「あ……!安藤さん、板場さん、寺島さん。久しぶり」
「おお!まさかこんな所で会うとは……」
飛鳥と流星も驚きながら、3人に会釈する。
「大野さん達、どうしてここに?」
「アイオニアンのシェルターは、ここに繋がっていてね。友から
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