暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第6楽章〜魔塔カ・ディンギル〜
第54節「カ・ディンギル出現」
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だって事は話したよな?」
「うん……」
「それは姉妹校である、アイオニアンも同じだ。研究が頓挫して今は破棄されてるけど、地下シェルターの何処かに、二課本部のエレベーターホールへと繋がる通路が残っているはず……」
「アイオニアンに!?」
「翔、それは本当か!?」
 驚く翼に、翔は頷く。
「以前叔父さんに聞いたんだ。もし、二課が何者かに占拠されるような事があったら、そこを使って侵入出来るって……」
「さ、流石師匠……。抜け目がない……」
 翔は純の方を向くと、その顔を真っ直ぐに見つめる。
「純、この中で一番戦闘経験が浅いのはお前だ。だからこそ、お前に任せたい。……アイオニアンの地下から、二課へと向かってくれ」
 そして純もまた、翔を真っ直ぐに見つめ返すと、力強く頷いた。
「それは大任だね……ああ、任されたよ。僕は僕に出来る事で、翔達を助けるよ!」
「それでこそだ、親友!」
 一旦立ち止まり、翔と純は固く握手を交わした。

「ジュンくん……」
 そこへ、クリスが神妙な顔つきで近づく。
 純が握手を終えて振り向くと、クリスは言った。
「……リディアンに、小日向未来って奴がいるんだ。そいつは、こんなあたしを助けてくれて、あたしなんかの友達になりたいって言ってくれた……。あたしにとって、初めての友達なんだ。だから……」
「……わかった。必ず助ける。だから、クリスちゃんは心置き無く、フィーネと決着を付けてくるといい」
 クリスの頼みに、純は頼もしく笑って応える。その顔を見たクリスは、純の背中に手を回した。

「じゃあ、行ってくる」
「ああ。行ってらっしゃい、だ」
「……それと、忘れ物だぜ」
 そう言ってクリスは爪先立ちすると、純の顔にフィーネのアジトで拾った眼鏡をかけさせた。
「あ……ありがとう。ずっと昂ってて、眼鏡ないから落ち着かなかったんだ」
「やっぱあの趣味悪いバイザーなんかより、それかけてる方が似合ってるぜ」
「翔、僕が帰ってくるまで、クリスちゃんの事は頼むよ!」
 互いに『行ってきます』のハグを交わし、笑い合った純とクリス。そして、純はアイオニアンの方角へと向かって行った。

「任せたぞ、純……」
「わたし達も──!」
「ああ、いざ往かん!敵はリディアンに在り!」
「フィーネ!首を洗って待っていやがれッ!」
 そして装者達もまた、リディアンへと向かって行く。
 決戦は、刻一刻と迫って来ていた。
 
 
 
「……んんっ……」
 目を覚ました弦十郎が、ソファーから身を起こす。
「司令!」
「……状況は?」
「……本部機能の殆どが、制御を受け付けません。地上及び地下施設内の様子も不明です……」
「……そうか」
 友里からの報告に、弦十郎は歯噛みした。
 自分があの時、躊躇
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ