第6楽章〜魔塔カ・ディンギル〜
第54節「カ・ディンギル出現」
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「未来……無事でいて……ッ!」
「くッ、ヘリとか車とか、何でもいいから何かないのかよッ!?」
「今は自力で何とかするしかないッ!とにかく急ぐぞッ!」
響、翼、クリス、3人のシンフォギア装者と、翔、純、2人のRN式適合者は、無人となった街を駆け抜け、リディアンへと向かっていた。
「……じゃあ、つまりリディアンの地下には、特異災害対策機動部の基地があるって事なのかい!?」
「ああ、そういう事だ。理解が早くて助かる」
その道すがら、純は翔から自分達シンフォギア装者と、二課についての説明を受けていた。
「あのフィーネって人に、最低限の事は教えられたからね。シンフォギア・システムについてと、二課の存在については聞いてるよ」
「それにしても、まさか叔父さんが居たのにこうなるなんて……」
(二課がカ・ディンギルだと気づいた時点で、俺だけでも……いや、それでは純をフィーネの手から解放出来なかった。フィーネの奴、それも想定して……?)
翔は改めて、黒幕の狡猾さに舌を巻いた。
「ごめんよ、翔。僕がフィーネからの脅しをブラフだって見抜けていれば……」
純は申し訳なさそうに目を伏せる。
純のアーマーの裏側には、確かに小さなケースに入ったネフシュタンの欠片が仕込まれていた。が、それはあくまでも格納されていただけであり、何も怪しい仕掛け等は用意されていない。
「仕方ないさ。……おそらく、フィーネもそこまで用意する時間がなかったのかもな。お前の登場そのものが想定外だったんだろう。だからブラフで誤魔化した……と、推測するしかない」
「そう……だね」
しかし純は、口にこそ出さないものの、少しだけ納得出来ていなかった。
(あの人が僕を手駒にする気があったのは本当だろう。でも、本気で僕を最後まで利用する気はあったんだろうか……?)
あの時、フィーネは自分を殺さなかった。その理由が、彼は未だ腑に落ちていないのだ。
(気まぐれとか、殺すのが惜しくなったとか言ってたけど、あれは……)
「しかし、スカイタワーをカ・ディンギルだと誤認させ、その上であれだけのノイズでの足止め、更に先程の小日向からの連絡……。最初からリディアン、もしくは特異災害対策機動部二課が狙いと見て、間違いなさそうだな……」
「未来……」
未来を心配し、暗い表情を見せる響。翔は響の隣に寄ると、その肩に手を置いて言った。
「本部には叔父さんも、緒川さんもいるんだ。大丈夫さ」
「……うん……」
「でも翔、通信が途切れたってことは、つまり二課はとっくにフィーネの手に墜ちているって事になるよね……?戻ったとして、地下にある基地までどうやって向かうのさ?」
純の言葉に、翔は少し考えて……やがて、ある事に思い当たった。
「リディアンが元々、適合者を探す為の研究施設
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