第6楽章〜魔塔カ・ディンギル〜
第53節「リディアン襲撃」
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。お前達を利用してきた者を守ろうというのか?」
「利用……?」
「何故、二課本部がリディアンの地下にあるのか。聖遺物に関する歌や音楽のデータを、お前達被験者から集めていたのだ。その点、風鳴翼という偶像は、生徒を集めるのによく役立ったよ。フフフ、フハハハハ……」
高笑いと共に、デュランダルの保管されている区画へと立ち去ろうとするフィーネ。
その背中を毅然と見据え、未来は声を張り上げた。
「嘘を吐いても、本当の事が言えなくてもッ!誰かの生命を守るために、自分の生命を危険に晒している人がいますッ!わたしはそんな人を……そんな人達を信じてる!」
「チッ!」
苛立ちを露にした表情で振り返ったフィーネは、未来の頬を叩き、その襟首を掴んで更にもう一度叩いて床へと落とした。未来は床に膝を着き、倒れ込む。
「まるで興が冷める……!」
フィーネは床に倒れた2人を置いて、了子の通信機を手に廊下の奥へと向かう。最奥区画アビスへと続く自動扉のロックを開けようとしたその時、銃声と共に通信機が破壊された。
「ッ!」
「デュランダルの元へは、行かせませんッ!」
振り返ると、何とか立ち上がった緒川が拳銃を構えていた。これ以上は拳銃も意味をなさない。緒川は拳銃を投げ捨て、直接戦闘の構えを取った。
「……ふん」
両手の鞭を構えるフィーネ。その時、何処からともなく新たな声が響く。
「待ちな、了子」
「ん……?」
次の瞬間、大きな音とともに天井が崩れ落ち、瓦礫の立てた煙の中から赤いワイシャツの巨漢が現れる。
それを予想していたのか、フィーネは一瞬呆れたような表情を浮かべ、直ぐに凶悪な笑みを顔に貼り付けると、その男を睥睨した。
「……私をまだ、その名で呼ぶか」
「女に手を上げるのは気が引けるが、二人に手を出せば、お前をぶっ倒すッ!」
「司令……」
フィーネを真っ直ぐ見据え、拳を握り構えるその男の名は、特異災害対策機動部二課司令官、風鳴弦十郎。
通信が途切れた事から、フィーネは2人が乗るエレベーターを襲い、アビスへと向かった事を察して、その拳で床をぶち抜きながら駆け付けた、二課最強……いや、人類最強と言っても過言では無い男である。
「調査部だって、無能じゃない。米国政府のご丁寧な道案内で、お前の行動にはとっくに気付いていた。あとはいぶり出すため、敢えてお前の策に乗り、シンフォギア装者を全員動かして見せたのさッ!」
「陽動に陽動をぶつけたか。食えない男だ。──だがッ!この私を止められるとでもッ!」
「おうともッ!一汗かいた後で、話を聞かせてもらおうかッ!」
弦十郎が床を蹴るのと同時に、フィーネもネフシュタンの鞭を振るう。
「とうッ!はッ!」
それを弦十郎は身を逸らして躱し、もう片方の鞭を跳躍
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