暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第6楽章〜魔塔カ・ディンギル〜
第53節「リディアン襲撃」
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 バオォォォォンッ!
 
 巨大な強襲型ノイズ達が、リディアンの校舎を蹂躙していく。
 朝までの平穏は踏み躙られ、潰れ、壊され、消えて行く。
 避難指示を受け、悲鳴を上げながら逃げ惑う生徒達。銃や戦車といった現代兵器による飽和攻撃を仕掛けるも、位相差障壁の前には届かず、破壊された戦車の爆発に巻き込まれ命を散らしていく自衛隊、特異災害対策機動部一課の隊員達。
 しかし、命を散らしながらも懸命に立ち向かう彼らの奮闘により、生徒は誰一人として欠けることなくシェルターへと逃げ延びる事が出来ていた。
 
「落ち着いてッ!シェルターに避難してくださいッ!……落ち着いてね」
 避難誘導を手伝う未来の元へ、安藤らいつもの3人が駆け寄る。
「ヒナッ!」
「みんな!」
「どうなってるわけ?学校が襲われるなんてアニメじゃないんだからさ……」
 困惑し、不安げな表情を浮かべる板場。
「皆も早く避難を」
「小日向さんも一緒に……」
「先に行ってて。わたし、他に人がいないか見てくるッ!」
 寺島の言葉へ首を横に振り、走り去る未来。
「ヒナッ!」
「君達!急いでシェルターに向かってください!」
 そこへ、銃を抱えた隊員が走って来る。
「校舎内には、ノイズが居て──ッ」
 次の瞬間、天井を突き破り現れたフライトノイズが、その隊員の胸を刺し貫く。
 あっという間にその隊員は、ノイズと共に炭化し、崩れて消えた。
「ッ……!きゃああああああああぁぁぁッ!」
 
 
 
「誰かー?残っている人はいませんかー?」
 逃げ遅れた生徒を探す未来。そこへ、爆発音と共に強い振動が押し寄せる。
 外を見るとそこには、崩れ落ち煙を上げる校舎と、敷地内を跋扈するノイズの群れ。
 リディアン音楽院は、見るも無残な姿と成り果てていた。
「……学校が、響の帰って来る所が……」
 その時、勢いよく窓ガラスを割って3体のクロールノイズが侵入し、未来の方を見る。
「──ッ!?」
 次の瞬間、その体を紐上に変化させたノイズ達が未来を目掛けて突撃する。

「くッ!」
 見慣れた黒服の青年が、一瞬素早く未来の身体を抱いて床へと身を投げ出す。
「あ……う……お、緒川さん?」
「……ギリギリでした。次、上手くやれる自信はないですよ?」
 いつもの余裕を崩さない笑みを向けると、緒川は未来の手を引いて立ち上がらせる。
 振り返ると、狙いを外したクロールノイズは、見慣れたカエル型の姿に戻る。
「走りますッ!三十六計逃げるに如かずと言いますッ!」
「は、はいッ!」

 未来の手を引き走る緒川。目の前にあるエレベーターのボタンを押し、未来が飛び込んだ瞬間、自身もその中へと飛び乗り、二課の通信機をかざす。
 扉が閉じ、更にシャッターが閉まるエレベーター。
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