第一部
練氣術
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流でいう練氣術の域まで使えるようになると、生半可な異能よりも遥かに強力で厄介なものになるという。
飛行能力・桁外れの攻撃力・鉄壁の防御・超人的な速度に人外的な身体能力。
異能のように解りにくい特殊なものではないが、基本を磨き抜き追求した力を得る。
「魔術師の魔晄はドラゴンボールの[気]とハンターハンターの[念能力]における基本の四大行と似たようなものかな?」
紫闇は二人の話に疑問を覚えた。
そんなに上達した魔晄操作が強力なのに、なぜ魔術師は使わないのか。
最もな意見だ。
扱いが難しい、使いどころが限定される異能を持った魔術師の場合なら尚のこと。
何せ練氣術は下手な異能を必要としないほどの圧倒的で解りやすく、シンプルかつ単純な、
防御が堅い
動きが速い
攻撃が重い
つまりは強い
を体現してくれるのだから。
「使わない答えは簡単。普遍的な魔術師は【魔術学園】でやってるみたいな訓練を繰り返して【天覧武踊】の実戦で経験を積みながら自分の異能に習熟したり、使い方に幅を持たせた方が遥かに早く、効率的に強くなれるから」
レイアは小細工や特殊能力より魔晄操作のような基本の土台と基礎能力の高さを重視している魔術師なので魔晄技術が無駄だと思わない。
魔晄以外にも力を使える身としては。
紫闇は焔達の話を聞いて悟る。
練氣術は異能を使えない規格外の魔術師が戦う為に覚える技術なのだと。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「なるほど。確かに異能の使い方を習熟させた方が早く強くなれるよな。だからみんなは練氣術と同じ発想に至らないのか」
「魔術師は異能を宿した魔晄外装が全てで異能を頼りに戦うのが当たり前。だから外装の形状や型に合った使い方を身に付けていない奴や魔晄に対して質量しか見ていない奴も居る」
紫闇の言葉にレイアは嘆く。
「対して紫闇やあたしみたいに異能無しの規格外が持つ外装は頑丈なだけのガラクタ。普通の人間がその辺に置いてある物で殴るようなもの。打撃の威力がちょっと上がるくらいにしか役に立たない」
だから規格外は普通の魔術師や超能力者と同じ戦い方で勝つことは有り得ないのだ。
相手の魔晄防壁が弱くて薄かったり魔晄が切れたりした場合は別なのだが。
「黒鋼一族は代々魔術師なんだけど、何故か規格外の人間しか生まれなくてね。だから普通の人間にも出来る武術と【魔晄】に着目して一般的な魔術師とは違う戦闘技法を編み出したというわけなのさ」
焔は黒鋼の先達が千年以上に渡って研鑽し、磨き、練り、積み上げた果てに漸く完成した一族の黒鋼流体術に自信を見せた。
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