第一部
練氣術
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
黒鋼での修業。
その始まりは普通。
ストレッチに筋トレ、ランニングと至って健全なスポーツな内容を朝から昼まで行った。
《立華紫闇》は拍子抜けする。
「よく鍛えてあるね紫闇は。その割りに戦闘技術は素人でお粗末だけど」
「紫闇は8年くらいトレーニングを続けて体力付けてるし体も作ってるからな」
《黒鋼焔》の感心に《永遠レイア》が頷く。
「なら次はアレにしよう」
そう言って焔は午後の修業に移る。
黒鋼の屋敷に在る道場で紫闇を待ち受けていたのは高さ2メートル程のピラミッド。
「見本を見せるよ」
焔がピラミッドに向かって小さく跳ぶ。
このままでは体育の[跳び箱]で失敗する人みたいに激突してしまう。
そう思われた時、彼女の背中から黄金の粒子が噴き出して体が浮き上がっていく。
そのまま軽くピラミッドを飛び越した。
「これは黒鋼流に伝わる【練氣術】で、今の技は『三羽鳥ノ一・音隼』と言うんだ」
この技を覚えるのにリモコンで高さを調節できるピラミッドが便利らしい。
紫闇は声を震わせながら焔に尋ねる。
「これは【異能】……なのか? でも外装のタイプからして有り得ないよな。そもそも外装を出してないし、【超能力】だったり……?」
紫闇は先日に焔の外装が異能を宿さない【規格外】ではあるものの、異能や超能力を使えると聞いているのだが、もう一度確認をしてみた。
「違うよ。【魔晄外装】を出してないから【魔術師】の異能じゃないのは判るだろう? それに超能力みたいなのも使ってない」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
紫闇の考えは否定される。
「練氣術は【魔晄操作】の技術を極めた先に在る黒鋼流の技法であって、音隼は練氣術で使えるようになる黒鋼流の技でしかないよ」
焔の言葉に紫闇は驚きを隠せない。
「紫闇の気持ちは解る。魔晄操作は魔術師が魔晄外装を出せるようになる前に覚えるものだからね。魔術師のみんなが使っている身体強化や魔晄防壁みたいにして使うだけしかイメージがないんだろう?」
レイアの言う通りだ。
その身体強化や魔晄防壁も突き抜けて優れたものにしてくれるわけではない。
世界でも上位の魔術師は別だろうが。
紫闇にとって魔晄操作は魔術師ならば誰にでも使える特に大したことがない技術。
もちろん目新しさは無い。
「大半の魔術師間ではレイア兄さんが言った認識で正しいと思うよ。ちょっとした身体強化や防御にしか使うものじゃあない」
しかし魔晄操作を黒鋼
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ