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戦闘携帯のラストリゾート
挑戦者に手を引かれ
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 スズが唐突に話を切り出してくる。なんだろう?

【ラディが見たという、このリゾートが破壊されつくした跡のような不思議な光景。さすがにただの夢とも思えません。サフィール君はこのリゾートに何度も訪れているそうですし、心当たりなどありませんか?】

 確かにとても気になる。むしろスズはこれが聞きたいから先にお礼として質問していい、と言ったのかも。

「……実は、多分知ってるんだよね」
【是非教えてください】

 意外な返事。サフィールはわたしが見た謎の光景について知ってるの?
 彼はちょっと考える仕草をした後、言葉を選ぶようにゆっくり話し始めた。

「……護神って言われてるポケモンの仕業だと思う」

 ここでいくらポケモンバトルをしても人や物が傷つかないようにしているポケモンが、あんなことを?

「リゾートに来る人達の間で噂の都市伝説でさ。護神は時々やってきた人たちの前に子供の姿で現れて、食べ物をねだったり一緒に遊んで欲しがるんだって」
「じゃあ、あの女の子が……」
「噂じゃそのお礼にリゾートの綺麗な景色なんかを見せてくれるって話だからさ。……警告なのかも。怪盗である君のことを、護神は危険なものだと思ってるのかもしれない」
【……なるほど。とても参考になりました。ありがとうございます】

 あの女の子は一切言葉を話さなかった。それは人間じゃなくてポケモンだったからだとすれば辻褄が合う。ポケモンだったならわたしに幻を見せるくらいは簡単だろう。怪盗だから危険だと思ったっていうのもおかしくはない。
 だけど……あの子はわたしと話すとき笑顔を向けてくれた。わたしの質問に首を振るときは、申し訳なさそうだった。言葉を話せなくても、確かに感じたんだ。
 サフィールはスズにどういたしまて、と返したあと、わたしの方を見る。

「あとさ!君のポケモンのことが知りたいな。怪盗の相棒ってどんなのか気になるし!」
「わかった。じゃあ……バトルしてみない?百聞は一見にしかず、百見は一戦にしかず、っていうし」
「望むところさ!ルールはどうする?」
「昨日来たところで普通にバトルするのは初めてだし……わかりやすいルールがいいわ」
「よし、じゃあついてきて!リゾート一番人気のバトル施設に案内するよ!」

 サフィールが駆け足で施設に向かう。それについていくわたしに、スズが音を絞って声をかけてきた。

【珍しく素直ですね。真面目な話、彼に何か気に入るところが?】
「気にいるっていうか……助けてくれたし、いい人だと思うから」
【わかりました。ですがくれぐれも警戒は解かないでくださいね。シャトレーヌ側の人間でないということなら……彼女たち以上に手段を選ばない可能性があるということですから】
「どういうこと?」
【シャトレー
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