まるで○○みたいですね
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「 DADA歌えました 」
「 よかったですね 」
「 やっぱりインディーズの頃が良かったですね 」
「 そうなんですか? 」
「 最近は万人受けしそうな歌が多い気がします。残念です。 」
「 やはり世の中、金ですね 」
「 女神様の口からは聞きたくなかった気がします 」
みなさんの信仰のが私の力になるのです的なあれはないのだろうか
「 お鍋が食べたいです 」
「 急ですね 」
「 さっきテレビでやってました 」
「 ...何鍋がいいですか? 」
「 キムチ鍋とか 」
「 追いキムチしますか? 」
「 もちろん! 」
今年の初鍋はキムチか。
とはいえ家には何も無いので買い物へ行かねば。
「 お鍋用の買い物行きますけど、一緒に行きます? 」
「 今日は寒いので行きたくないです... 」
「 じゃあ、僕も行きたくないです 」
「 いや、違うんです。こたつが、こたつが私を行かせてくれなくて 」
「 ですね。僕もこたつに捕まってしまいました。 」
「 お鍋は明日でもいいです 」
「 明日になったら、冷蔵庫に食材が増えているとでも? 」
「 ... 」
「 冗談ですよ。今から買い物に行ってきますね 」
「 ありがとうございます 」
上着を羽織って外に出る。
最近はすっかり秋らしくなって、風が服の隙間から入り込んでくる。
体が冷えないうちに買い物を済ませようと歩き出したとき、背後の玄関が開いた。
「 私も行きます 」
「 え、いいのに 」
「 最近、あなたの優しさに甘えすぎていた気がするので一緒に行きます 」
「 では一緒に行きましょうか 」
「 はい 」
そう言うと、女神様は僕のコートのポケットに手を突っ込んで
「 あったかい 」
「 僕の体温とらないでもらえます? 」
「 シェアしましょうよ 」
「 まぁいいですけど 」
並んで歩く。
「 でも良かったです 」
「 何がですか? 」
「 もしあのまま女神様が部屋に残ってた場合、僕の信仰心は完全に無くなってましたから 」
「 え、信仰心なんて持ってたんですか? 」
「 持ってませんけど 」
「 ですよね 」
秋というよりかは、冬の気配を強く感じる空の下。
歩く二人は温かさを感じていた。
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