暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第5楽章〜交わる想い、繋がるとき〜
第52節「繋いだ手だけが紡ぐもの」
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あ……何かフラフラする……。ちょっと無茶したかな……」
「7分も戦ってたからな、お前」
「7分も!?そっか……4分も限界を超えたんだ……」
 翔に肩を貸されて、純はビルの外へと出ていく。

 すると、その耳には懐かしく、ずっと聴きたがっていた歌声が響き渡っていた。
「……この歌は……ああ、クリスちゃんの……!」
 最愛の姫君の歌声に、ようやく魔女から解放された王子は心を躍らせた。

 

「やった……のか?」
 最後のノイズにトドメを刺し、翼が空を見上げて呟く。
「ったりめぇだッ!」
「あはッ!」
 空から地上へと降り注ぎ、風に吹かれて消えていく燃え滓と炭塵。
 スカイタワーの下で、ギアを武装解除した3人は合流した。
「やったやった〜ッ!」
 響が勝利を喜び、飛び跳ねながらクリスへと抱き着く。
「やめろバカッ!何しやがるんだッ!」
 響を引き剥がすクリス。
「勝てたのはクリスちゃんのお陰だよ〜!うひひひひ〜!」
 もう一度抱き着く響。再び引き剥がすクリス。
「だから、やめろと言ってるだろうがッ!いいかッ!お前達の仲間になった覚えはないッ!あたしはただ、フィーネと決着を付けて、やっと見つけた本当の夢を果たしたいだけだッ!」
「夢?クリスちゃんの?どんな夢?聞かせてよっ!」
 またしても抱き着く響。
「うるさいバカッ!お前、本当のバカーッ!」
 三度響を引き剥がし、クリスは響から離れて叫んだ。
「えへへへ〜」

「立花、あまり過度なスキンシップはそこの2人を嫉妬させるぞ?」
「ほえ?」
 響が振り向くと、そこにはギアを解除した翔と、翔に肩を貸されて歩いて来る純の姿があった。
「響、姉さん、雪音、3人ともお疲れ」
「翔くん!そっちも上手くいったんだね?」
 響が駆け寄ると、純は自分から翔の肩を離す。
「純、もういいのか?」
「大丈夫……。翔は自分のお姫様を、労ってあげるといい」
 そう言って純は、クリスの方へと歩いて行く。
「翔くん、あの人って、あの時未来と一緒にいた……」
「爽々波純。俺の親友にして……雪音の帰る場所、かな」
 そう言って翔は響を背後から抱き締めて充電しながら、2人の再会を見守った。
「やれやれ……。戦場でイチャイチャするなど……いや、もう終わった後なので、戦場ではなくなったがな」
 少し呆れたように、それでいて優しい声で翼も、2人の邪魔をしないように翔と響の隣へと並んだ。

「ジュンくん……」
 僕の方を見て、クリスちゃんが駆け寄って来る。
「クリスちゃん……」
 RN式の効力が切れ、今身にまとっている鎧は、ただの何の変哲もないプロテクターになっていた。
 自分の無茶は分かっている。すぐに戻るって約束したのに、こんなに遅くなってしまったのも悪いと
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