第5楽章〜交わる想い、繋がるとき〜
第51節「スカイタワーの決戦」
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イ子ちゃんな正義なんて──」
「空中のノイズはあの子に任せて、私達は地上のノイズを!」
「は、はいッ!」
払われるように爆散していく空中のノイズ達。
地上に溢れるノイズらもまた、青き剣に斬り伏せられ、橙の四肢に叩き砕かれ、灰の刃に断たれて散る。
そんな中、ノイズから距離を置く為に飛び退いた翼とクリスが、偶然にも互いの背中をぶつけてしまった。
「──ッ!なにしやがるッ!すっこんでなッ!」
「あなたこそいい加減にして。1人で戦っているつもり?」
翼の一言が火をつけ、そのまま言い争いへと発展してしまう。
「あたしはいつだって1人だッ!こちとら仲間と馴れ合ったつもりはこれっぽっちもねぇよッ!」
「む……ッ!」
「確かにあたし達が争う理由なんてないのかもな?だからって、争わない理由もあるものかよッ!この間までやり合ってたんだぞッ!そんな簡単に人と人が──あ……」
クリスの口を閉じたのは、拳と握られたその手を優しく包む響だった。
「……できるよ。誰とだって仲良くなれる」
そう言って響は、もう片方の手で翼と手を繋ぐ。
響を介して、翼とクリスの手が繋がれた。
「どうしてわたしにはアームドギアがないんだろうって、ずっと考えてた。いつまでも半人前はやだなーって。でも、今は思わない。何もこの手に握ってないから、2人とこうして手を握り合える!仲良くなれるからねっ!」
2人を交互に見て微笑む響。
「立花……」
その言葉に、翼はその手に握っていた刀を足元に突き刺すと、その右手をクリスの方へと差し伸べた。
「──手を」
「あ、あ……むぅ……」
「ん」
「あ……うう……」
しばらく悩んだ後、迷うようにゆっくりと、クリスはその左手を翼の手へと伸ばす。
翼は焦れったくなり、そのままクリスの手を掴む。
「ひゃ──ッ!?きゅ、急に掴むなっての……。このバカにあてられたのかッ!?」
「そうだと思う。そして、あなたもきっと」
「……冗談だろ?」
微笑む翼に、頬を赤らめながらクリスは顔をぷいっと逸らす。
そんな2人を、響は笑いながら見守っていた。
「……3人とも、仲直りは終わったか?」
そこへ、3人が言葉を交わしている間に邪魔が入らぬよう、露払いを続けていた翔が降り立つ。
その直後、空に浮かぶノイズの影が4人を覆った。
「……どうする?親玉をやらないと、キリがないぞ」
「だったら、あたしに考えがある。あたしでなきゃ出来ないことだッ!」
クリスの言葉に、一同の視線が彼女に集まる。
「イチイバルの特性は、超射程広域攻撃。──派手にぶっ放してやるッ!」
「まさか、絶唱を──」
「ばーかッ!あたしの命は安物じゃねぇッ!」
「ならばどうやって?」
「ギアの出力を引き上げつつも、放出を抑える
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