第5楽章〜交わる想い、繋がるとき〜
第50節「カ・ディンギルの謎」
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分かった。見つけ次第、連絡しよう」
そう言って弦十郎はエージェント達と共に、屋敷を後にした。
砂埃を上げて去っていく車を見送って、クリスは屋敷で拾った眼鏡をポケットの中から取り出した。
(ジュンくん……。待ってろ、もう少しだからな……)
昼食も終わって、未来と2人で寮へと戻ろうとしていたわたしの通信機のアラートが鳴る。
「師匠からだ!響ですっ!」
『翼です』
『翔です』
『3人とも、聞こえているな。敵の目的について収穫があった。……了子くんは?』
『まだ出勤していません。朝から連絡不通でして……』
師匠の一言に、友里さんが答える声が聞こえた。
「そうか……」
『連絡が取れないとは、心配ですね。以前の広木防衛大臣の件もあります』
翼さんが不安そうに呟く。
「了子さんならきっと大丈夫です!何が来たって、わたしと翔くんを守ってくれた時のようにどがーんッ!とやってくれます!」
『いや、戦闘訓練もろくに受講していない櫻井女史に、そのような事は……』
「え?師匠とか了子さんって、人間離れした特技とか持ってるんじゃないんですか?」
『叔父さんは戦闘力、緒川さんは忍者、藤尭さんは暗算能力、友里さんは健康状態把握力……。二課は大人、いや、OTONA揃いだから、了子さんのあのバリアーもその科学力の産物だと思うんだけど……叔父さん、見たこと無かったんですか?』
翔くんに言われて驚いた。い、言われてみれば確かに、二課の人達って凄い人だらけだ……。
『いや、そのような発明は俺も聞いていないが……』
『や〜っと繋がった〜。ごめんね、寝坊しちゃったんだけど、通信機の調子が良くなくて〜』
そこへ了子さんの通信が入る。な〜んだ、ただの寝坊かぁ。よかった〜。
『……無事か。了子くん、そちらに何も問題は?』
『寝坊してゴミを出せなかったけど……。……何かあったの?』
『……ならばいい。それより、聞きたい事がある』
『せっかちね、何かしら?』
『──カ・ディンギル。この言葉が意味するものは?』
『……カ・ディンギルとは、古代シュメールの言葉で『高みの存在』。転じて『天を仰ぐほどの塔』を意味しているわね』
『何者かがそんな塔を建造していたとして、なぜ俺達は見過ごしてきたのだ?』
「確かに、そう言われちゃうと……」
そんな大きな塔なんて建ててたら、皆すぐに気付いちゃうと思う。
バレなかった理由があるなら……うーん、何だろう?
『だが、ようやく掴んだ敵の尻尾。このまま情報を集めれば、勝利も同然。相手の隙にこちらの全力を叩き込むんだ。最終決戦、仕掛けるからには仕損じるなッ!』
「了解です!」
『了解です』
『了解!』
師匠の号令に、わたし達3人が同時に答える。
『ちょっと野暮用を済ませてか
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