第5楽章〜交わる想い、繋がるとき〜
第49節「王子の行方」
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途絶する。
そして次の瞬間、目の前まで迫っていた兵士達がその屈強な肉体に勢いを乗せて突っ込んできた。
「……ッ!」
マスクを付けられた口からは、一言の悲鳴も漏れ聞こえない。
しかし、純は勢いよく弾き飛ばされ床を転がる。
(ッ!この人達、どう見ても一般人じゃないな……。昨日の説明から察するに、多分米国の……)
兵士は純を置いて部屋の奥へと向かっていく。
立ち上がろうとした純の頭に、仲間に着いていかずに残った兵士が銃口を当てた。
「Dont'move. I'll get away with it right away.」
『What is your purpose? Are you going to kill that person?』
兵士からの言葉に対して、流暢な英語で答える純。しかし、ここでマスクを付けていたのを思い出す。
(そうだった。マスク付けてるから聞こえないんだった……)
「あの女を始末したら、お前のその鎧も我々が回収する。大人しくその命を我々に差し出してもらおうか」
『……RN式、起動』
純は左手首のブレスレットへと指を触れる。
次の瞬間、全身の表面を虹色の保護膜が包み込み、身にまとっていた鎧が形状を変え、各関節部にパイプのようなパーツが現れる。
「ッ!?」
次の瞬間、その拳の一撃で兵士は吹っ飛ばされる。
気絶した兵士の横に転がる銃を踏み壊し、純はマスクの裏で呟いた。
『生憎、他人に差し出せるほど安い命じゃないんでね』
「ブラックアートの深淵を、覗いてすらもいない青二才のアンクルサムが──」
「撃てッ!」
その時、部屋の奥からフィーネの声と共に音が激しい銃声が鳴り響く。
『ッ!?撃ったのか!無防備なあの人を……!』
慌てて純は部屋の奥へと向かっていく。破壊されたドアを抜けて、彼がそこで見たものは……。
その日の昼時。
「ッ!?何が、どうなってやがるんだ……」
フィーネの館に戻って来たクリスは、中の光景に驚いていた。
部屋は荒らされ、窓ガラスは軒並み割られている。
そして、部屋には銃を持った屈強な男達の死体が散らばっている。全員、腹部を刺突された痕が残っている事から、ネフシュタンを纏ったフィーネの仕業だと察することができる。
(生きてる奴は……いなさそうだな。こいつら、何処かの兵隊……か?)
部屋を見回しながら、先へと進んでいく。
その時、背後から足音が響く。振り返ると、そこには弦十郎が立っていた。
クリスは慌てて後退る。
「……あ、ち、違うッ!あたしじゃない!やったのは──」
最後まで
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