第5楽章〜交わる想い、繋がるとき〜
第49節「王子の行方」
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「それで……私と契約するか、それともここで死ぬのか。どちらが賢い選択なのか、ボウヤには分かるわよね?」
少年は出てきた時と変わらず、フィーネを睨み返すと、彼女の問いかけに答えた。
「……いいさ、乗ってやる。それでクリスちゃんも僕も生きていられるなら……その契約呑んでやるよ」
「フフ……いい子ね。それじゃ、契約成立って事でいいのね?」
「契約する以上は、クリスちゃん達の事も教えてくれるんだな?」
「まあ、最低限の事は教えてあげましょう」
そう言ってフィーネは少年から離れ、屋敷の奥へと戻って行く。
「ほら、とっととついて来なさい。ボウヤ」
少年は立ち上がると、屋敷へと戻って行くフィーネの背中に向かって叫ぶ。
「純!爽々波純、僕の名前だ!ボウヤじゃない!」
フィーネは足を止めると、クスリと笑った。
「じゃあ、爽々波クン。早速あなたに仕事を与えるから、こっちにいらっしゃい」
こうして爽々波純はフィーネと契約を結び、翌日、クリスを狙って放たれたノイズの回収を兼ねた新たな鎧のテスト運用の為に、街へと出る事になったのだった。
明朝、山奥の館。そこは武装した兵士に囲まれていた。
アサルトライフルを手に、兵士達は館への突入を許可する合図を、今か今かと待ち望んでいた。
やがて、リーダーらしき兵士が片手を挙げる。
それを合図に、兵士達は屋敷へと走り出した。
(……彼女は何を企んでいる?)
銀の鎧に身を包み、純はフィーネの狙いについて考えていた。
見張りを頼まれた際、破壊されたドアの陰から彼女が操作するモニターをチラッと見た彼は、表示されていたのが親友とその想い人であった事に気が付いた。
フィーネは2人から何かのデータを取っている、という所までは分かったが、それ以外にわかることはない。
(おそらく、シンフォギア……だっけ?僕が今着せられているこれに関係している事は分かるんだけど……一体、何を……)
──そう思案していた彼の耳に、足音が届く。
目をやると、銃で武装した男達がこちらへ向かってくるではないか。
直ぐに通信機を起動し、フィーネへと連絡しようとした所で発砲音が鳴り響いた。
反射的に身を庇う姿勢を取ると、金属同士がぶつかり、弾かれる音が鳴り響く。撃たれているのは自分だと気が付くまでに数秒かかった。
(銃弾が当たっているはずなのに、無傷……!?これが、シンフォギアシステム……いや、まだ起動はしていないから、ここまではただの防弾チョッキと変わらない、か)
耳元の通信機のボタンを押し、中のフィーネに連絡する。
「敵襲!ライフル持った連中が館に!」
『チッ!なんてタイミングの悪……』
次の瞬間、ガラスの割れる音と共に通信が
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