第5楽章〜交わる想い、繋がるとき〜
第48節「君色に染まる空の下で……」
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ずっと、君の事が好きだったとも!」
「えッ!?……あの頃って、もしかして……」
2年前……。そんなに前から、翔くんはわたしの事を……!?
困惑するわたしを他所に、翔くんは続ける。
「あの時の俺は、心に余裕がなかったし、何より弱虫だったから、自分の本当の気持ちに気付けなかった……。でも、今はハッキリと分かる!俺は君が……誰よりも強くて、誰よりも優しい心を持っている立花響が大好きだ!その優しさで周りを照らして、笑顔と元気をくれる立花響を……花が咲くような愛らしい笑顔で、どんな辛い事でも吹き飛ばしてくれる勇気をくれる立花響を、俺は愛している!!」
「ッ……!!」
翔くんは、矢継ぎ早にどんどんわたしへの想いを語り続ける。
もう既にわたしのキャパシティーは限界だ。容量がオーバーして爆発寸前、これ以上何か言われたら、わたし……もう、抑えられないッ!
「だから……響、ありがとう。こんな俺の事を好きでいてくれて」
「ッ!?はううううう……」
なっ、名前……!今、翔くんわたしの事、下の名前で……。
「もし、響さえよければ……俺は、響と一緒に同じ空を見ていたい……」
「ッ!!??そっ、それって……」
待って翔くん!それ告白どころじゃない!
その言葉はっ、そ、その……ッ!
「2人で同じ幸せを抱いて、同じ未来へと翔んで、同じ音を奏でていきたい……」
「……翔くん」
「うん?」
翔くんの背中に手を回す。わたしはそのまま両腕に力を込めて、思いっきりぎゅ〜っと、翔くんを抱き締めた。
「その、今の言葉は……プロポーズとして受け取って、いいのかな……?」
プロポーズ。その一言で気が付いたのか、翔くんも顔を真っ赤にする。
「そっ、そそそ、そそそそれはだな……っ!?……あ〜……うん……。そう捉えてもらっても、構わない……ぞ?」
翔くんの両腕にも力が込められる。自然と密着した翔くんの胸から、わたしと同じくらい激しくなった鼓動が聞こえてくる。
……わたし達は今、さっき翔くんが言っていた通り、"同じ音を奏でている"んだ。
夕陽の赤さで誤魔化せないくらいに真っ赤になったわたしと翔くんは、それから未来に呼ばれるまで、お互い背中に回した手を離す事が出来なかった。
ファーストキスはまだしてないけれど、これ以上はお互いに歯止めが効かなくなりそうだったから、それはまた次の機会にってことで……。
「響……やったね。おめでとう……!」
未来は少し離れた所で、響と翔の様子を見守りながら、目元を拭ってそう呟いた。
「どうした小日向、泣いているのか?」
翼にそう問われ、未来は首を横に振った。
「違うんです。なんだか、思っていた以
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