第5楽章〜交わる想い、繋がるとき〜
第47節「デート大作戦」
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の服、似合ってるよ……」
「お、おう……そりゃ、どうも……」
少しだけ頬を赤らめながら、そんな会話をする初々しい2人。
それを見て、未来と翼は微笑むのだった。
「ほら、早くしなさい。先に行くわよっ!」
「ほらほら、早くしないと時間足りなくなっちゃうよ!」
「あっ!翼さん、待ってくださいよ〜!」
「姉さんと小日向、既に楽しそうだな……」
翼と未来を追いかけるように、翔と響は足を速めるのだった。
まずはウィンドウショッピング。雑貨屋に並んだキャラクターグッズを見て回った後、映画館へと向かう。
見る映画は選ぶまでもなく、恋愛映画だった。
翼と未来はここで、一つ手を打つ。
「はい、これが響の席ね」
「こっちは翔の分よ」
「ありがとー。って、未来!これ……」
「しーっ」
響の言葉を遮り、未来は耳打ちする。
「せっかく隣同士にしたんだから、せめて手ぐらい握るのよ?」
「そっ、そそそそんなこと言われたって……!」
「風鳴くん。わたし、ポップコーン買ってくるから、先に入ってて」
そう言うと未来は売店の方へと駆け出していった。
「あっ、未来!」
「姉さん、小日向を任せられるか?」
「任せて。直ぐに合流するわ」
そう言って翼も未来の後を追う。
それを見送ると、翔は響の方を見る。
「じゃあ、先に座っとこうか」
「そ……そう、だね……」
「どうした立花?」
「なっ、なんでもない!ほら、行こっ!」
そう言って2人は指定された席に座る。ちなみに席の順番は左から順番に未来、響、翔、翼だ。
「その……楽しみだね、映画」
「『HAPPY LOVE』、とあるカップルが艱難辛苦を乗り越えて結ばれるまでを描いた作品、だったな。あらすじだけ見るとベタなのに、最近流行ってるんだっけ?」
「そうそう。なんでも、あらすじだけはベタなのに、蓋を開けたらどうあっても泣いちゃう作品なんだって」
「へぇ、そんなにか。そいつは気になるな……」
映画の話題でしばらく時間を潰す。お互い、いつもと違う服装にドキドキしながらも、いつもと変わらない会話で盛り上がり、気づけばすっかり緊張は解けていた。
「上手く行ってますね」
「だな。さて、我々もそろそろ座るとしようか」
その様子を、ホールの入口からそっと見守る2人。
タイミングを見計らうと、ポップコーンと飲み物を手に、2人はそれぞれ翔と響の隣へと向かって行った。
映画終盤、感動のクライマックス。女性陣3人は泣きながら、スクリーンに映された男女の行方を見守る。
ハンカチ片手に見入っている未来。指先で涙を拭う翼。
そして一番泣いているのは響であった。
「……」
スクリーンに目をやりながらも、翔は隣の響へと意識を傾けていた
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