第5楽章〜交わる想い、繋がるとき〜
第46節「大人の務め」
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込んだばかりに、撃沈する羽目になってしまった。
「藤尭さーん!ダメだ、完全に伸びてる……。緒川さん、大丈夫ですか?」
「避けられなかった……。背中が、まだ……」
「とにもかくにも、できる女の条件は、どれだけいい恋をしているかに尽きるわけなのよっ!ガールズ達も、いつかどこかでいい恋なさいね?……特に響ちゃん、今、絶賛恋する乙女満喫中でしょ?」
「ええっ!?そ、そそそそんな事は……!」
「立花、無駄だ。お前と翔の事は、二課全体にバレてるからな」
「えええええ!?」
翼からの暴露に顔を耳まで真っ赤にする響。幸い、そのお相手は目の前にいるものの、了子から会心の一撃をもらってしまった2人を心配するあまり、気がついていない。
ガールズ3人、大人1人は声を潜めて話し合う。
「何か恋の悩みができたら、私に相談してねん♪んじゃ、ばっはは〜い」
そして了子は3人に手を振りながら、さっさと研究室の方へと歩いていってしまった。
まさに嵐のような女性である。被害者が2名も出てしまった。
「聞きそびれちゃったね〜」
「んむむ〜、ガードは硬いかぁ。でもいつか、了子さんのロマンスを聞き出してみせる!」
「それより誰か医療班!藤尭さん気絶しちゃってる!」
盛り上がっている女子に対して、男性陣は死屍累々となっているのであった。
「緒川さん、大丈夫ですか?」
「不覚でしたね……。翼さんの前で、二度とこんな無様な姿は見せませんよ」
翼に差し伸べられた手を取り、緒川は眼鏡をかけ直す。
その姿を見ながら、翔は内心思うのだ。
やっぱり姉さんと緒川さん、付き合えばいいのに……と。
「……ハッ!黄色い花畑が見えた気がする……」
「藤尭さん、おかえりなさい……」
(……らしくない事、言っちゃったかもね。変わったのか……。それとも、変えられたのか……?)
誰もいない廊下を一人歩き続けながら、了子は考える。
さっき無意識に出かけた言葉も、あの時の少年に情けをかけたのも……。
自分の行動に何処か変化を感じながら、櫻井了子を名乗る者は考え込む。
果たして自分は、何を思ってあんな事を……と。
「……それにしても司令、まだ帰ってきませんね」
「ええ。メディカルチェックの結果を報告しなければならないのに……」
響、未来、翔、翼、緒川の5人は、休憩スペースのソファーに並んで座っていた。順番としては緒川と翼、響と未来、その間に翔が挟まっている形だ。
「次のスケジュールが迫って来ましたね」
緒川は腕時計を確認しながらそう言った。
「もうお仕事入れてるんですか?」
「少しずつよ。今はまだ、慣らし運転のつもり」
「じゃあ、以前のような過密スケジュールじゃな
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