第5楽章〜交わる想い、繋がるとき〜
第46節「大人の務め」
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考古学者、櫻井了子だ。
「どこから突っ込めばいいのか迷いますが、取り敢えず僕を無視しないでください」
「同じく」
「了子さん?俺含めて男子も3人いるんですけど」
「シャラップ!細かい事は気にしな〜いの♪」
呆れたような顔でツッコミを入れた緒川に便乗した藤尭、翔だったが、了子の一言にあえなく撃墜され、不服そうな表情を見せる。
しかし、了子は持ち前のマイペースさで特に気にせず、女子3人とガールズトークを始めてしまった
「了子さんもそういうの興味あるんですか?」
「モチのロ〜ン!私のコイバナ百物語聞いたら、夜眠れなくなるわよ〜?」
「まるで怪談みたいですね……」
苦笑いする未来に対して、響はテンションが上がっていた。
「りょ〜うこさんのコイバナ〜ッ!きっとうっとりメロメロおしゃれで大人な銀座の恋の物語〜ッ!」
「今の一言でよくそこまで連想出来たな……」
「全くだ……」
翔と翼はテンション高めにうっとりしている響を見て、額に人差し指と中指を当てながら、やれやれ、とでも言うような表情になる。
姉弟揃って同じ表情、同じポーズという光景だが、翔の場合は口元が少しだけ緩んでいるのは内緒である。
「そうね……。遠い昔の話になるわねぇ……。こ〜う見えても呆れちゃうくらい、一途なんだからぁ」
「「おお〜ッ!」」
響と未来が揃って目を輝かせる。
「意外でした。櫻井女史は恋というより、研究一筋であると」
「俺は了子さんこそ、二課で一番の恋愛経験者だと思ってましたが……どんな話なんです?」
驚く翼と、予想を的中させつつ話にのめり込む翔。
完全にガールズトークでは無くなっているのだが、それはそれである。
ちなみに空気を読んでか、緒川と藤尭は黙って話を聞いている。
「命短し恋せよ乙女ッ!というじゃなぁい?それに女の子の恋するパワーってすっごいんだからぁ!」
「女の子、ですか……」
次の瞬間、緒川の顔面に裏拳が飛んだ。
自販機に後頭部をぶつけ、倒れる緒川の眼鏡が外れる。
「緒川さーん!?」
翔と藤尭が心配そうに駆け寄る中、何事も無かったかのように了子は話を続ける。
「私が聖遺物の研究を始めたのも、そもそも──あ」
「「うんうん!それでっ!?」」
早く続きを聞かせろと言わんばかりにのめり込むJK2人。しかし、了子はそこで口を閉じると、誤魔化すように後頭部に手を当てる。
「……ま、まあ、私も忙しいからここで油を売っていられないわっ!」
「いや、了子さん自分から割り込んできたじゃないですk……」
次の瞬間、しゃがんで緒川の背中をさすっていた藤尭の顔面に蹴りが入った。サンダル履きの足で。
「藤尭さーん!?」
緒川同様、自販機に背中を強打する藤尭。口は災いの元、哀れ男性陣2人はたった一言突っ
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