第1章(原作1巻) 緋色の改革者(リフォーマー・スカーレット)
第10弾 真実
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く。
「???自分自身のことも、隠してる」
中の会話は着々と進んでいた。
その会話に耳を傾けている俺の元に???笠原がやってきた。
「あ、樋熊先ぱ???フゴッ?!」
素早く笠原の元に駆け寄った俺は口元を押さえた。
そして、耳元で囁く。
「静かに。後で行くから、下で待っていて」
何故か顔を真っ赤にした笠原はコクコクと頷くと戻っていった。
笠原を見送って、再び室内の話に耳を傾ける。
そして間宮の声と思しき声が聞こえてきた。
「私の家は昔、公儀隠密???今で言う政府の情報員みたいな仕事をしてました」
???思い出した。
間宮一族の先祖の間宮林蔵とうちの先祖は繋がりがあったと聞いていた。
が、まさかあいつがその子孫だったとは。
人と人の繋がりは意外と身近にあるのかもな。
そんなことを考えていた今の俺は知る由もなかった。
この会話を全て聴いてしまうことがこれから起こる事に巻き込まれていく要因のうちの一つになるということを???
病室の前を後にした俺は、下の階にいる笠原の元に向かう。
結局、病室内での会話を全て聞いてしまった。
決して盗み聞きするつもりはなかった(ほぼ盗み聞きと同じような状態になっているので弁明しても無駄だと思うが)。
でも、聞き入ってしまった。
彼女らの関わっている事件が、自分にとって無関係とは言い切れなかったからである。
いつかはその時が来ると覚悟していた。だが、自分はそれを投げたしたかった。
しかし、今の自分にはそれを投げ出すということは到底できない。
それは自分自身が一番よくわかっている。だけどもう何も失いたくない。
そんなことを思っていたら笠原を見つけた。向こうもこちらに気づいたらしく駆け寄ってきた。
「悪い、待たせたな。で、何の用だ笠原?」
「あ、えっと、さっき先輩に電話が」
「電話?」
不思議に思った俺は携帯を開く。そこには、沢山の不在着信が入っていた。発信者は理子だ。
携帯を確認している俺の元に再び電話がかかってきた。
「もしもし?」
『やっほーシューくん? やっと繋がったよー』
「どうしたんだ理子?」
『バスジャックの犯人の泊まってた部屋が見つかったから鑑識の手伝いに来てー。来てくれないとりこりん、ぷんぷんがおーだぞ」
「分かった分かった、ちゃんと行くから。取り敢えず、位置だけメールしといてくれ」
『うー、らじゃー!』
そう言って電話が切れた。
相変わらず嵐のようだぜ……。
「悪い笠原、後頼む。急用が入った」
「わかりました。それから先輩、一つお願いが」
「ん? なんだ?」
突然のことに少し驚きながらも、あまり表
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