第4楽章〜小波の王子と雪の音の歌姫〜
第45節「一番あったかい場所」
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んてそんな!わたし達まだ付き合ってもいないんだよ!?」
「えっ!?それ本当に!?」
未来の巧みな誘導尋問に引っかかり、響は真っ赤になって口を抑えた。
「もー、そういう顔するからわたしも気になっちゃうんだって〜」
「あ、あはははは……はは……」
「それで、どうなの?他の人に言えなくても、わたしには教えてくれたっていいんじゃない?」
親友にそう言われると響も弱い。
響は少し悩んだ末に、ぽつぽつと語り始めた。
「……最初はね、中学の時のクラスメイトだった翔くんだったって、気づかなかったんだ。でも……翔くんに何度も助けられたり、大事な事を教えてもらったりして……気付いたんだ」
「うん……」
「わたし……翔くんのこと、大好きみたい……」
絞り出す様にそう言った響の顔は、未来がこれまで見た事の無いくらいに、キラキラと輝いていた。
「そう……じゃあ、響はその想いを伝えなくちゃいけないね」
「そ〜なんだけどさぁ〜……ど〜んなタイミングで言えばいいのか……。翼さんにもOK貰ってるのに、わたしがタイミング掴めなくて中々言う機会が……」
「えっ!?響!翼さんからお墨付き貰ってるの!?」
驚く未来に、響は照れ臭そうに頬を掻く。それを見た未来は、何やら思いついたように提案した。
「響、わたしに良いアイディアがあるんだけど……聞いてくれる?」
「えっ?」
未来は微笑みながら、そのアイディアを響に語って聞かせる。
「……えぇっ!?い、いや、それはいくらなんでも早すぎるっていうか……」
「大丈夫。外堀はとっくに埋まってるんだし、建前もしっかりしてるし」
「じ、じゃあ……今度、翼さんに相談……してみる?」
「そうね。これ、翼さんの協力も必須だもん」
「緊張するなぁ……」
「翔くんにアタックしたいんでしょ?早く告白しておかないと、他の娘に取られちゃうかもよ?」
「うう……」
こうして、響は親友である未来にも背中を押され、翔に告白する覚悟を決める事になる。
そんな2人の部屋に置かれたピアノには、夕方3人で撮ったばかりの写真が印刷され、写真立てに飾られていた。
立花響と風鳴翔。2人の胸の響きが交わる日は、もうすぐそこに。
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