第4楽章〜小波の王子と雪の音の歌姫〜
第44節「陽だまりに翳りなく」
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も未来はわたしの……ぷ、ぷふふぅっ!」
「え?なに!真面目な事言ってる時に笑うなんてっ!」
「あははっ!だってさぁ!髪の毛ぼさぼさ、涙でぐちゃぐちゃ!なのにシリアスな事言ってるしっ!」
「んもぅっ!響だって似たようなものじゃないっ!」
「うええっ!?うそぉ!?ちょっと翔くん!今のわたしどうなってる!?」
「ん?……ぷふっ、あっはっはっはっは!まあ、2人ともどっちもどっちだな」
風鳴くんは響とわたしの顔を交互に見比べると、とても可笑しそうに笑った。
「そう言う風鳴くんこそ、髪の毛ぼさぼさで泥だらけだよ?」
「なん……だとぉ!?」
「未来、鏡貸して!わたしの顔見るついでに、翔くんにも顔見てもらわないと!」
「えっと……鏡はないけど……。これで、撮れば……」
わたしはケータイを取り出すと、内カメラを起動した。
「ケータイのカメラ!未来、ナイスアイディア!」
「あ、わたしも一緒にッ!」
「ほらほら翔くんも!」
「お、俺も?いいのか、俺も入ってしまって……」
「響がそうしたいって言ってるんだし、気にしなくてもいいんじゃない?」
響を真ん中に、わたしと風鳴くんが並ぶ。さすがに3人ともなると、画面が少し狭く感じる。
「ん〜……あああ、もうちょっと──あ、ずれたぁ〜」
「こう、もう少し詰めれば……」
「もう、撮るよ、二人とも」
パシャッ
「のわああぁ、すごい事になってるぅ!?これは呪われたレベルだ……!」
「わたしも想像以上だった……」
「俺もだ……。これはある意味二度と撮れないかもしれん……」
「「「……ぷっ、あはは、あはははははははははッ!」」」
この時の写真は、3人の仲直りの記念として後で印刷する事になった。
わたしと響が初めて喧嘩して、仲直りした日。わたしと風鳴くんがようやくちゃんと話せた日。
そして、わたしが響と風鳴くんの仲をちょっとだけ認めた日の……そんな1枚。
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