暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第4楽章〜小波の王子と雪の音の歌姫〜
第44節「陽だまりに翳りなく」
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き残った負い目なんかじゃないッ!未来から、奏さんから託されて、わたしが受け取った……気持ちなんだッ!!)
 両脚のパワージャッキを全開にしながら、着地した坂道を滑り降り……一気に解き放つ!
 もう、会いたい人はすぐ目の前に見えていた。

 

(……もう、走れない)
 へとへとになりながら、今にも止まりそうになりながらも、足を前へと進め続ける。
 でももう限界で、遂に両膝を付いて倒れてしまう。
 後ろを振り向くと、タコ型ノイズはもうすぐそこまで迫って来ていた。
(ここで……終わりなのかな……。仕方ないよね、響……)
 タコノイズが飛び上がり、わたしに覆い被さるようにして落下してくる。
 あと数秒後、わたしはあっという間に炭にされてしまうんだろう。
(──だけど、まだ響と流れ星を見ていないッ!)
 今度は翔くんも一緒に連れて来たい。響はそう言って笑っていた。
(大好きな響との大事な約束──破りたくないッ!)
 慌てて立ち上がり、残っている力を脚に込めてもう一度走る。
 その直後、タコノイズが落下してきた衝撃で道路が崩れ、わたしは空へと放り出された。
(そんな……!せっかく、頑張って避けたのに……これじゃ──)
 タコノイズと一緒に、高台から投げ出されて落ちていく。
 このままじゃ、助からないのは目に見えている。
「きゃあああああああッ!」

 響……ごめん……ッ!

〈我流・撃槍衝打〉

 何か、重いものがぶつかる音がして、タコノイズが爆散する。
 目を開いた次の瞬間、もう一度何かがぶつかる音がして、わたしの体は抱き抱えられた。
「私と云う音響き、その先に……優しさを──」
 響だ。わたし、響に抱き抱えられてる……。
 ジャコッ!というスライド音と共に、響の両脚からジャッキが伸びて、後ろのゴテゴテした部分から炎が吹き出し、落下の勢いを軽減する。
 その時、着地の姿勢を取った響の傍を、何かが物凄い速度で通り抜けて行く。
 眼下に見下ろす河原の土手の下へと着地した灰色の影……風鳴くんは、わたし達を見上げて両腕を広げ、両脚のジャッキを展開させていた。
「シンガウトゥウィズアァァァァァァァァァス!……っと、おわっととととと!?」
「あれ?響──え、きゃああああ!!」
「よし、予想通r……ってうおおおおお!?」
 土煙を撒き上げて着地した響は、わたしを抱き抱えたまま、バランスを崩して土手を転げ落ちる。
 それを見越して構えていた風鳴くんも、受け止めるまではよかったんだけど、わたし達の体勢がまずかったのかそのまま巻き込まれ、結果的にわたしと響の下敷きになってしまった。
「「いたた……あいたぁ……」」
「ぐえぇ……な、なんとか間に合った……」
 潰れたカエルみたいな声の翔くんに、慌てて響とわ
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