第4楽章〜小波の王子と雪の音の歌姫〜
第44節「陽だまりに翳りなく」
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し……──もう、迷わないッ!」
ノイズがその声に反応し、未来の方に触手を向ける。
それを確認した瞬間、未来はビルの外へと向かって一目散に走り出した。
何度も触手を躱して真っ直ぐに、一直線に……わたし達を守る為に。
「こっちよ!お前なんかに、捕まったりなんてしないんだからッ!」
ノイズは完全に未来へと狙いを定め、ビルの外へと出ていった。
「未来……」
わたしは、未来の気持ちを裏切らない為にも、おばちゃんに駆け寄ると聖詠を唱えた。
「──Balwisyall Nescell gungnir tron──」
おばちゃんを抱えて跳躍し、ビルの天井に空いた穴から外へと飛び出す。
安全な場所がないか見回すと、緒川さんの車が停車し、窓が開いた。
「響さんッ!」
「緒川さんッ!」
車を降りてきた緒川さんの前に着地する。
「緒川さんッ!おばちゃんを、お願いしますッ!」
「分かりました!響さんは?」
「わたしは……。大切な人を、守りますッ!」
緒川さんにおばちゃんを預け、わたしは再び跳躍する。
電柱のてっぺんや、ビルの屋上を足場に、未来が走って行った方向へと進んでいく。
(未来……どこ……ッ!?)
夕陽に照らされ、オレンジ色に染まった街を見下ろしながら、ふと思う。
何故、どうしてこんなにも広いこの街の中で、まるで運命に導かれるようにわたしは未来の所へ辿り着けたんだろう……って。
あの時思い描いていたのは、もう一度未来と繋ぐ手と手。それがきっとわたし達を、もう一度引き合わせてくれた。
未来が囮になるって言い出した時、わたしは戸惑った。それでも、未来はわたしに全てを預けてくれたんだ。
未来の信頼と優しさを、わたしは絶対に裏切らない!
(戦っているのは、わたしひとりじゃない。シンフォギアの力で誰かの助けになれると思っていたけど、それは思い上がりだッ!助けるわたしだけが一生懸命じゃない。助けられる誰かも、一生懸命──ッ!)
あのライブの日、わたしを助けてくれた奏さんの言葉を思い出す。
『おい、死ぬなッ!目を開けてくれッ!生きるのを諦めるなッ!!』
本当の人助けは、自分一人の力じゃ無理なんだ。だからあの日、あの時、奏さんはわたしに……生きるのを諦めるなと叫んでいたんだッ!
(今なら分かる気がする!だから、助けられる誰か……未来のためにもッ!)
「──きゃああああああッ!」
「──ッ!未来ッ!?」
(……足りないッ!もっと高く……もっと速く、飛ぶようにッ!未来の……所へ──ッ!)
腰のブースターで更に加速して、着地した場所を駆け抜ける。
(そうだ!わたしが誰かを助けたいと思う気持ちは、……惨劇を生
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