第4楽章〜小波の王子と雪の音の歌姫〜
第43節「優しく差し伸べられた手を」
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しながら宙を舞い、辺り一面に爆発と共に炎の華を咲かせていく。
「HaHa!! さあ It's show time 火山のよう殺伐Rain!さあ──」
ノイズ達と戦いながら、街から遠ざかっていく彼女の姿を見て、弦十郎は呟く。
「俺はまた、あの子を救えないのか……」
そして、その弦十郎とクリスを別のビルの上から見つめ、ソロモンの杖で何体かのノイズを消滅させる何者かの姿があった事を、誰も知らない。
青いアンダーウェアの上には、まるで拘束具のように四肢と胸部を覆う、チューブの付いた銀色のプロテクター。
そして、その顔は真っ黒なバイザーに、口元はマスクで覆い隠されていた。
おばちゃんと二人、走り続ける。
あの後、クリスを追いかけようとしたわたし達は逃げ遅れてしまっていた。
クリスを見失っちゃったわたし達は、これ以上は危険だと思って、避難所への道を引き返しているのだ。
ブオオォォォォォ!!
聞き慣れたものと違う、重厚な鳴き声に振り向くと……そこにはタコみたいなノイズがいた。
「ッ!未来ちゃん!」
「おばちゃん!こっち!」
するとタコみたいなノイズは、まるでわたしの大声に反応したようにこっちを向き、その太い足を伸ばしてきた。
「きゃーーーーッ!」
「──ッ!?今の悲鳴は、まさかッ!」
その悲鳴が、街を駆け抜ける親友に届いていた事を彼女が知るのはほんの数分後の事である。
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