第4楽章〜小波の王子と雪の音の歌姫〜
第43節「優しく差し伸べられた手を」
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になんて行くんじゃねぇ──ッ!!」
迫り来る、自分の命を狙うように命じられた無機質な雑音達。
立ち上がり、振り返り、吼えるように叫ぶ。
ノイズ達はそれを合図にしたかのように、一斉に鋭利化させたその身体を射出する。
それらを避けながら、クリスは聖詠を……。
「Killter Ic──げほ、げほッ!」
しかし、走り続けて乱れた呼吸のまま無理に歌おうとした影響は、最悪のタイミングで咳として現れた。
その隙を逃さず、上空から3体のフライトノイズが迫る。
「……ッ!」
(ああ……あたし、死ぬのか……。ごめん、ジュンくん……)
どうしようもない諦めが、クリスの心を支配する瞬間……その男は現れた。
「──ふんッ!とぁッ!」
震脚と共にメキメキと音を立てて捲れるアスファルト。捲れたアスファルトに突き刺さるフライトノイズ達。
そしてその人物は拳でアスファルトを砕くと、その破片はノイズ達の方へと向かって飛んで行った。
当然、位相差障壁でダメージは通らない。しかし、その破片で何体かのノイズは転倒する。
「なんだ!?」
「はああああああぁぁぁ……ッ!」
拳を握り、格闘術の構えを取るその大人は……獅子の鬣のようにツンツンした赤い髪に、真っ赤なワイシャツを着た大きな背中の漢だった。
キュピキュピッ!キュピッ!
しかし怯まず、左右から迫ろうとするノイズ。
「掴まれッ!……ふんッ!」
だがその男は再び震脚でアスファルトを捲って盾にすると、クリスの身体を抱き抱え、そのまま四階建てのビルの屋上までひとっ飛びで跳躍した。
(え、ええ……ッ!?このおっさん、何者だよ……?)
「ふう……。大丈夫か?」
困惑するクリスを他所に、超人的身体能力で彼女を救った男……風鳴弦十郎は、彼女の顔を覗き込む。
「あ、え……。はッ!追って来やがった……ッ!」
弦十郎から離れ、逃げるように後退るクリス。
しかし、そこへ5体ものフライトノイズが飛来する。
「さすがに振り切る事は出来なかったか……」
「……下がってな、おっさん。すう……」
呼吸は落ち着いている。クリスは今度こそ、その身に魔弓の力を纏う聖詠を唱えた。
「──Killter Ichaival tron──」
「てりゃあーーッ!!」
クロスボウから放たれる矢が、フライトノイズらをあっという間に全滅させる。
「ご覧の通りさッ!あたしの事はいいから、他の奴らの救助に向かいなッ!」
「だが……「こいつらはあたしがまとめて相手してやるって言ってんだよ!──ついて来い、クズ共ッ!」
クロスボウをガトリング砲へと変形させ、ビルを飛び降りるクリス。
引き金を引き、ミサイルを発射
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