暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第4楽章〜小波の王子と雪の音の歌姫〜
第43節「優しく差し伸べられた手を」
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
純の欠席が3日続いたら、その時は見舞いに上がりますよ」
 灰色の髪に切れ長の目、穂村とは対照的にクールな雰囲気をまとった友人、加賀美(かがみ)恭一郎(きょういちろう)の言葉に、翔は一瞬答えを迷う。
 何時帰ってくるのか分からない以上、それはそれで困るのだ。

「分かった。でも、あいつが断ったら日を改めてくれよ?」
「無論、承知しているさ」
「ところで翔、ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
「ん?どうした、流星(りゅうせい)?」
 普段から本を読んでいることが多い、物静かな雰囲気をまとう文系男子、大野流星(おおのりゅうせい)が挙手しながら、翔へと問いかける。

「翔と純が、最近リディアンの生徒と一緒にいる所をよく見かけるって噂、本当なの?」
「えっ!?いやっ、それは……」
「こら流星、そういう質問はもっと静かにデリケートにだな!」
 臆面もなくクールな顔で親友の男女交際について聞き出そうとする弟を、慌てて咎めるのは如何にも堅物そうな雰囲気をした双子の兄、大野飛鳥(あすか)。俺と純がいつも絡んでいる友人4人は、いつもの様に俺の席の周りに集まって来ていた。

「兄さん、声」
「おっと……。とにかく、そういう質問はもっとデリケートに扱うものだぞ」
「でもよぉ、本当かどうか気になるじゃねぇか!なぁ、どうなんだ?本当なら、俺にも可愛い子紹介してくれよ!」
「うるさいですよ紅介。そもそも下心がダダ漏れです」
「んだよ!カッコつけてる癖にお前も彼女いねーのは、俺だって知ってんだぞ?」
「それは今関係ないでしょう!」
「まあまあ落ち着くんだ二人とも。それで、どうなんだい翔?僕もその話は耳にしている。君自身の話が嫌なら、せめて純の事についてくらいなら聞かせてくれないだろうか?」
 飛鳥にまでそう言われちゃ仕方ない。チラッと話しておくとするか。
 別に大して誤魔化す必要も無いからな。

 そう思って俺は4人に、立花と小日向の話をした。特に立花の話になると、こいつらやたら食い付きが激しくなった。
「お前ら、何揃ってニヤニヤしてるんだ?」
「いやー?」
「別に」
「「なんでもないさ」よ」
「そ、そうか……」
((((分かりやすいなぁ……))))

 その後しばらく、翔は無自覚に惚気けては4人をニヤニヤさせるのだった。

 

 所変わってリディアンの屋上。手すりに寄りかかって黄昏れる響は、ぽつりと呟いた。
「未来……。無断欠席するなんて、一度もなかったのに……」
「何か、悩み事か?」
「翼さん……」
 声をかけられ振り向くと、そこには松葉杖で身を支えながら歩いて来る翼の姿があった。
「相談になら乗ってやるぞ。私はいつか、お前の姉になるのだからな」
「あっ、あああ姉だなんてそんな!気
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ