暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第4楽章〜小波の王子と雪の音の歌姫〜
第39節「迷子(まよいご)」
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な約束を交わしたのに、自分はこんなにも『お姫様』からは遠ざかってしまった。
 身体中は痣だらけで、歌で何もかも壊してしまう。戦場に立てば引き金に指をかけ全てを撃ち抜き、ムカつく事があれば拳を振り上げてしまう。
 そんな自分を、一目見るだけでも約束に近づこうと進んで来たのが分かる純の眼鏡に、映してほしくなかったのだ。
(ジュンくんにも、謝らないとな……。あたし、折角会えたのに……)
 親子と別れ、少女はまた夜道を彷徨う。
 その先に、求めた答えが待っていると疑いもなく信じて……。
 
「はっ、はっ……クリスちゃん……クリスちゃん、何処だ!」
 一方、こちらも街中の何処か。
 人通りを何度も見回して、夜道を駆け抜けて行くのは、金髪碧眼の美少年。
 捜している少女の名を何度も呼んではまた走る。胸に抱いた想いを胸に、その情熱を糧として。
(詳しい事情は分からないけど、あの状況……クリスちゃんが帰る場所を失った事だけは理解出来た。だったら、僕が彼女の帰る場所にならなくちゃダメだ!事情は後で聞けばいい、真実は後で知ればいい!今は……彼女を見つけ出さなくちゃ!)
「クリスちゃん!クリスちゃん、クリスちゃん!何処だ!?何処に居るんだ!返事をしてくれ……クリスちゃあああああああん!!」
 少年と少女は、同じ街の何処かですれ違う。
 逢いたくても逢えない。話したくても逃げられる。
 そんな2人を再び引き寄せるきっかけは、少年のポケットの中に隠されていた事を、この時誰もが知らなかった。
 公園から走り出す前、咄嗟に拾っていた銀色の欠片。その輝きを、爽々波純だけが知っている。
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