第4楽章〜小波の王子と雪の音の歌姫〜
第38節「撃ちてし止まむ運命のもとに」
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ルに、二課の情報を握られているという事実。
内通者はかなり前からこの中に紛れ込んでいる。弦十郎は、現在ここにいないある人物に、疑いを向け始めていた。
長い付き合いで、互いに大きな信頼を寄せている筈の人物。二課で最も重要な役職に就いている、あの人物へ……。
「その姿、わたし達と同じ……」
煙を吹き飛ばし、再び目の前に現れたクリスの姿は、ネフシュタンの鎧ではなく、新たなるシンフォギアを身に纏っていた。
両肩と上乳を露出した大胆なデザイン。赤と黒を基調とし、差し色に一部白が入ったカラーリング。
腰の後ろから広がる真っ赤なスカートパーツに加え、頭部を覆うメットパーツや両足首部分のパーツは何処と無く、赤いリボンを思わせる。
「……唄わせたな。あたしに歌を唄わせたな!」
「え……」
「教えてやる……あたしは、歌が大っ嫌いだ!!」
「歌が嫌い……?」
「ッ!?立花、避けろ!イチイバルの特性は……!」
翔が叫ぶ瞬間、クリスの両腕を覆う装甲がスライドし変形。
クロスボウの形状を取り、彼女の手に握られる。
「傷ごとエグれば、忘れられるってコトだろ?イイ子ちゃんな正義なんて、剥がしてやろうか!!」
5発連続で発射された矢は、地面に弾着して爆発する。
響と翔はとにかく走り、迫り来る矢を掻い潜る。
「遠距離超火力!それがイチイバルの特性だ!」
「ええっ!?って事はつまり……」
「離れた所から派手にドンパチ!いつでもどこでも、花火大会し放題って事だ!」
近接戦闘特化型の響と、オールマイティだが弓の大きさからイチイバルに比べて連射性に劣る翔。
二人共、派手に弾幕を張られると弱いタイプである為、この状況は圧倒的に不利。一気に形勢が逆転していた。
クリスは跳躍し、曲芸師さながらの空中回転で着地すると、クロスボウ型のアームドギアを3つの銃口が三角形に並んだバレルが二連装、左右合計4門のガトリング型へと変形させ、構える。
「──逃がすかッ!揃って仲良く蜂の巣になりなッ!」
〈BILLION MAIDEN〉
「うわああああああああッ!?」
「立花ッ!!おおおおおおおおおおおお!!」
容赦なく叩きつけられる銃弾の嵐に、翔は再びアームドギア・生弓矢を高速回転させて銃弾を弾き返す。
しかし、それも長く持つわけではない。攻めの一手を見つけなければジリ貧だ。
クリスはトドメを刺すべく、スカートパーツを展開させる。
スカートパーツの中に収納されていたのは、大量のミサイルだった。
「さあ、お前らの全部……全部、全部ッ!全部全部ッ!否定してやる!そう、否定してやる!!」
〈MEGA DETH PARTY〉
「くッ!?不味い、こいつは防ぎきれない……ッ!」
「駄目、翔くん!!」
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